フルモデルチェンジ版・日産の新型エクストレイルe-POWER(T33)の走りはどうだ?ハンコック製タイヤは悪くないが、速度域が上がると少し不安も…

2022-12-14

前輪駆動[2WD]モデルでも走りは十分良く、寧ろ軽やかさがあって楽しい

2022年12月に私に納車された日産のフルモデルチェンジ版・新型エクストレイルe-POWER(Nissan New X-Trail e-POWER, T33)[2WD]。

ほとんど市場に出ていない前輪駆動[2WD]モデルということもあり、ブログ読者の方々からも「2WDの走りはどうなのか?」といった問い合わせを多数頂いております。

結論から言ってしまうと、FFモデルでもワインディングロードではタイヤがしっかりと張り付くような感覚で楽しいですし、サブコンパクトSUV独特の重々しさもあまり感じられず、クイックなコーナリングで走ることができるというのも、このモデルの売りの一つだと思います。

雪上での走りについてはこれからになるため、現時点ではドライ&ウェットな路面でのインプレッションのみになってしまいますが、個人的には先代よりも走りに磨きのかかった一台だと考えています。


普通の一般道では穏やかに、それでいて上質に

まず新型エクストレイルe-POWER(T33)で公道を走らせたときに驚いたポイントの一つが静粛性。

サーキットなどのキレイな路面ではなく、轍(わだち)やマンホール、ちょっとした凹みといった路面の変化が感じられる公道にて走らせたときの印象としては、ハンコック製タイヤといえども路面から伝わってくるザラザラ感やコツコツ音はほとんど無く、「結構乗り心地良いなぁ」というのが最初の印象でした。

まだ走りたてということもあり、今後距離を伸ばしていくことで印象も大きく変化していくかもしれないのですが、特にe-POWER特有のEVモードで走行しているときの車内の静けさは特筆すべきものがあり、私が別に所有するレクサス新型NX350h F SPORT[2WD]に匹敵するような静けさなのは確か。

ある程度の高い速度域になると、僅かながら直線から外れてしまうことも

ただ一つ気になる点としては、ある程度速度域が上がっていくと真っすぐの公道に対して、轍などの影響もあるからなのか19インチタイヤだとキレイに真っすぐ走るという感じではなく、ほんの少しだけタイヤが持ってかれて直線から外れてしまうため、この点は繊細なハンドリング操作が必要に(新型NXだとタイヤも20インチで幅があるからなのか、同じ道路でも安定して真っすぐ走ってくれる)。

ただし、この直線性については「そこまで気にするようなものでもなく」、あくまでも直感的にサブコンパクトSUVのレクサス新型NXと比較した際に感じた部分でもあるため、エクストレイルの走行性能が悪いとかそういったことは全くありません(むしろかなりレベルが高くて驚いている)。

ワインディングロードでの走りは想像以上に楽しかった

路面の変化やコーナリングの変化が少ない国道などに対し、今度はコーナリングやアップダウンの多いワインディングでの走りをチェックしていくと、これがまた結構楽しいこと。

SUV特有の車体の重さが起因して、コーナリングを通過するときの荷重と外側に引っ張るようなロール感はあまり感じられず、気持ち良く通過してくれるのは意外なポイントでした。

この点は四輪駆動[e-4ORCE]モデルの方が強く、前輪駆動[2WD]はあまり強くない?と勝手なイメージを持っていたため、前輪駆動モデルでも十分楽しめるというのは大きな収穫でした。

ただ、これもタイヤとの相性の問題なのかは不明ですが、ある程度速度域が上がってくると、少し外側に膨らむようなシーンも見られたため、特に下りでスピードがノッてくるようなシーンには注意してほしいところ(この点はNX350h F SPORTのスピードとバランス、そしてハンドリングの方に軍配が上がるのは致し方ないところ)。

2ページ目:上りメインのワインディングロードでのe-POWERの走りはどうだ?