【悲報】日産アリアの生産計画が30%下回り、更に納期遅れが生じるとの報道。新型エクストレイル(T33)やキックスも受注一旦停止以降、かなり厳しい状況に

そういえば2023年に入ってから、日産アリアの納車はほとんど聞いたことが無い

日産リーフ(Nissan Leaf)に続くピュアEVクロスオーバーモデルの新型アリア(New Ariya)。

本モデルが発表・発売されたのが2022年3月18日になるため、もうすぐ発売から1年が経過しようとしていますが、どうやらこのモデルの国内生産能力が30%を下回る水準で稼働していると報道されています。

ロイター通信の取材によると、日産アリアの生産概況に詳しい関係者からの情報では、アリアの生産は当初の計画から少なくとも30%下回る水準で稼働していて、栃木県の工場でアリアのために確立した高度に自動化された製造システムの問題により、生産が遅れているとのこと。


アリア専用の自動化された製造システムとは?

日産アリアの生産ラインは、極限まで生産の自動化を進めることで、競合他社のEV専用ラインに比べてコスト競争力を高めたと云われていて、長年開発を進めてきた日産常務執行役員・車両生産技術開発本部担当の平田禎治 氏も「栃木工場の新ラインでは、車体の溶接工程や塗装工程については、ほぼ完全自動化を達成している。だが他社と違うのは、組立工程を大幅に自動化したことである」と説明。

組立て工程においては、約3,000個ある部品を1つの生産ラインで組付けるとのことで、かなり部品点数が削減されたものの、人の技能に頼って組付る点では、基本的にT型フォードと変わらないとのことから、組立工程をどこまで自動化できるかが今後の生産性の鍵を握るとのこと。

自動化の製造工程で問題となっているのは塗装ライン

ロイター通信によれば、今回はこの組立工程の自動化をフル稼働させることが「非常に大きな問題」になっているとのことで、そのなかでも高度な塗装ラインが大きな問題になっていると説明。

ちなみにアリアのボディカラーは、以下の通り全9色(モノトーン3色、2トーン6種類)をラインナップしますが、全てのボディカラーに影響を及ぼしているのか、一部のボディカラーに影響を及ぼしているのかは不明。

[モノトーン]

◇ダークメタルグレー

◇ミッドナイトブラック

◇ミッドナイトパープル


[2トーン]

◇プリズムホワイト×ミッドナイトブラックルーフ2トーン

◇カーマインレッド×ミッドナイトブラックルーフ2トーン

◇ディープオーシャンブルー×ミッドナイトブラックルーフ2トーン

◇ステルスグレー×ミッドナイトブラックルーフ2トーン

◇暁(アカツキ)サンライズカッパー×ミッドナイトブラックルーフ2トーン

◇ブリリアントシルバー×ミッドナイトブラックルーフ2トーン

アリアの具体的な生産計画はどうなっている?

日産は、過去に中国サプライヤーでの火災後、アリアに使用される重要な電子部品のメッキ不足に直面していて、日産自身は部品出荷の混乱に加えて、半導体の供給不足も解消されていないとのことから、今後アリアの生産に影響を及ぼすことは避けられないとも。

ちなみにアリアのラインナップモデルで、最も安価なグレードとなるB6[2WD]が(新型フェアレディZ(RZ34)と共に)2022年7月末で受注一旦停止となりましたが、このモデルの納期も1年以上と云われているものの、よくよく考えてみると2023年に入ってから本モデルの納車に関する話題はほとんど無し。

ロイター通信が日産関係者3名から確認した計画によれば、2023年3月~5月のアリアの生産台数は目標の3分の2に留まるとのことですが、生産目標が海外市場向け含めて1日当たり約400台に対し、年間で10万台以上、そして月産にすると約9,000台に相当するものの、2023年2月中旬までに策定された生産計画によれば、3月は6,900台を下回り、4月は約5,200台、5月は約5,400台を見込んでいるとのことで、まだまだ生産性が安定することは難しそうです。

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