日産ハイパーツアラーはフルモデルチェンジ版・新型エルグランド(E53)のコンセプト版?和のテイストを基調とし、車内には「急須」らしきユニークな装備も

果たしてコンセプトモデルをベースに、次期エルグランド(E53)が本当に登場するのだろうか?

2023年10月25日のプレスデーより開催されたジャパンモビリティショー(JMS)2023ですが、日産ブースでは、5種類の次世代コンセプトカーが世界初公開され、その中には次期GT-R R36を彷彿とさせるようなスポーツカー・ハイパーフォース(HYPER FORCE)も出展されました。

そのどれもが、内燃機関を搭載せずにピュアEVベースでの駆動を目指していますが、個人的に最も気になっているのは、次世代ミニバンをコンセプトとしているハイパーツアラー(HYPER TOURER)。

本モデルは、フルモデルチェンジ版・新型エルグランド(Nissan New ELGRAND, E53)を意識したモデルではないか?とも云われています。

今回は、実際に展示された実車のインプレッションも含めてどのような仕様となるのか予想していきましょう。


シンプルながらも複雑なデザインを持つハイパーツアラー

こちらが今回、ジャパンモビリティショー2023にて展示された新型ハイパーツアラー・コンセプトの実車。

ボディカラーはブロンズ系で、アリア(New Ariya)やノートオーラ(New Note Aura)に設定されるような暁(あかつき)サンライズカッパーとは異なる色合い。

おまけに足もとのホイールもド派手なブロンズカラーにペイントされ、VIPカーなどで見たことあるようなホイール意匠が特徴的。

今回展示されたものは、あくまでもコンセプトモデルで実際に公道を走行できるものではなく、日産関係者も「本モデルの商品化は検討していないものの、JMSに来られたお客様の意見を参考に、今後検討していく」と説明。

実は次期エルグランド(E53)の開発は進んでいる?

日産の匂わせはいつものことではあるものの、ただここ最近のアクションを見ていると、新型フェアレディZ(New Fairlady Z, RZ34)をベースにしたカスタマイズドプロトの流れにもあるように、「ユーザーからの市販化のリクエストがあれば検討したい」と言いつつも、結果的に早いタイミングでディーラーオプションとしてカスタマイズドエディションが2023年10月末に発売されることになっています。

おそらく日産としては、ハイパーツアラーをベースにした?次期エルグランド(E53)の開発を既に進めているのではないかと考えられますし、ユーザーの意見を量産モデルに上手くブラッシュアップしていく?ことを前提にしているのかもしれません。

もちろん、これはあくまでも私の勝手な推測にはなりますが、これまで中々ミニバンをベースにしたコンセプトカーを発表してこなかった日産が、こうもあっさりと出展してきたこと、既に新型セレナ(New Serena, C28)が発表・発売され、次期エルグランドへとつなぐような上級グレードe-POWER LUXIONが登場したことも何かの布石だったのではないか?と思えたり。

デジタル出展ではなく、実車として出展してきたことにも意味がある?

何れにしても、日産がこれだけ多様性を求めるコンセプトカーを出展してきたことは、同社の変革と進化に向けた転換期だと思いますし、デジタルコンセプトカーで終りそうなモデルを敢えて実車として展示してきたことにも、何か意図があってだと思うんですね。

前述にもある通り、ユーザーの意見を参考にしつつ、既に市販車の開発に向けて動き出していることを意味しているのかもしれませんし、今回のジャパンモビリティショーでの結果が、2024年初めの東京オートサロンにもつながっていきそうなモデルになることにも期待。

ちなみにサイドから見た時の伸びやかなスタイリングは、どことなくトヨタのラージサイズミニバン・アルファード(Toyota New ALPHARD, 40系)/ヴェルファイア(New VELLFIRE, 40系)に近いものがあり、水平基調をイメージしたスタイリングは、車内の居住性とゆとりある空間を確保するためだと推測。

2ページ目:新型ハイパーツアラーの車内には「急須」が搭載されている?