迷走どころか暴走気味のジャガー「我々は顧客が2,300万円を支払いたいと思う車以外は製造しない」 なお2023年の販売台数は2018年に比べて「10分の1」に

ジャガーが目指す方向性は本当に正しいのだろうか

前回のブログにて、ジャガーは一部の市場にて「1年間」新車・新型車を販売しないと報道され、更に主力SUVモデルとなるF-PACE(エフ・ペース)以外のラインナップモデルを全て廃止する考えを示しました。

この背景には、ジャガーが「ベントレーやロールスロイスといった超高級車ブランドへとシフトする」狙いがあるそうで、その記念すべき第一弾として「2024年末に2,000万円超えとなるプレミアムピュアEVモデルを発表」する狙いがあるようです。

そして今回、ジャガーは今後のプランについても明らかにしていますが、そのプラン内容が迷走どころか暴走気味になっている?と話題になっています。


ジャガーは「最善の戦略」と考えているようだが

今回のジャガーの新たなプランや方向性・考えについて報道しているのは、海外カーメディアのトップギア(Top Gear)で、ジャガーのマネージングディレクターであるロードン・グローバー氏にインタビューしたところ「これから話すことは、ジャガーの将来を見据えた上での最善の戦略である」とのこと。

そしてジャガーは、現在の状況において「我々は今、岐路に立たされている」と語り、どうやら「”マス”プレミアム市場から脱却する必要がある」と語ったそうです。

現在の市場だと、多数の競合ブランドによってジャガーは埋もれてしまっている?

ちなみに「マスプレミアム」というのは、高価格帯ながらも伝統的な高級ブランドよりは入手しやすい価格帯の製品を指していますが、ジャガーは本ブランドの立ち位置を再構築する必要があると考えているのかもしれません。

そのためにも競合ブランドとなるであろうマセラティやアルファロメオ、メルセデスベンツ、BMW、アウディだと、自社ブランドが埋もれてしまう危険性があることから、更に上の階級を目指すことにしたのだと推察。

超高級車ブランドを狙うとなると、新たな壁が立ちはだかる

ただ、この上の超高級車ブランドになってしまうと、ベントレーやロールスロイスといった「更に伝統的な高級ブランドの壁」が立ちはだかり、ジャガーは自分自身の首を絞めることになるのでは?とも考えますが、まずは「マスプレミアム市場からの脱却」という目的を果たす上では避けて通れない道なのかもしれません。

ジャガーの販売台数は2019年以降右肩下がり

ちなみにジャガーの年間の販売・登録台数を見ていくと、あくまでもアメリカ市場に限定した台数ではありますが、2019年以降右肩下がり。

2018年は84,219台でしたが、2022年には23,923台と70%以上も減少しており、更に2023年に至っては僅か8,348台と過去最低。

まさか2022年から更に60%近く減少し、2023年の販売台数が2018年の約10分の1に減少、そして主力市場ともいえるアメリカで1万台を切る日が来るとは…

ジャガーとしては台数よりも単価を上げることが重要?

おそらく今回のラインナップの大幅縮小も、更に販売台数を減少させることになるとは思いますが、ジャガーとしても超高級車ブランドになることを見据えて販売台数のハードルも更に低くし、グローバー氏自身も超高級車市場へと移行するには「非常にツラいこと」であることは認めているようです。

そうなると、今後ジャガーが達成すべきことは「更なるブランド力の強化」に加えて、1台あたりの車両本体価格(単価)を引き上げる方向へとシフトすることだと考えられますが、果たしてジャガーがそこまでのブランド力向上につなげることができるかは不明。

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