【悲報】フルモデルチェンジ版・スズキ新型スイフトが豪州の安全性能評価で「1つ星」に。ANCAP CEO「日本の工場の製造品質が低いのでは?」と指摘
ちなみに日本での自動車アセスメントによる総合評価は90%で「4つ星」だった
スズキが2023年12月に発表・発売した、5代目となるフルモデルチェンジ版・新型スイフト (Suzuki New Swift)。
本モデルを対象に、欧州の安全性能評価ユーロNCAPでは「3つ星」を獲得し、日本市場向けの自動車アセスメントによる評価結果では、予防安全性能評価においてはAランク、衝突安全性能評価においてはBランクだったことから、総合評価では「4つ星」を獲得しました。
そして今回、オーストラリア・ニュージーランド新車アセスメント・プログラム(ANCAP)においては、何と先程の評価よりも更に低評価となる「1つ星」であることが明らかとなりました。
なぜANCAPでは「1つ星」という低評価だったのか?
ANCAP公式ホームページの評価内容を見ていくと、新型スイフトは最新のテストプロトコルに基づいて評価を行った結果「1つ星」しか与えられなかったと説明していますが、そもそもなぜ「1つ星」となったのかが気になるところだと思います。
その内容には、衝突回避技術がどれだけうまく衝突を防げるかではなく、衝突時に乗員をどれだけうまく保護できるかがポイントになってくるわけですが、どうやら乗員保護性能が低いことが低評価につながっているとのこと。
そしてANCAPのCEOであるカーラ・ホールウェグ氏によると、「2024年初め、ANCAPは現地にて供給されるスイフトシリーズと欧州にて供給されるスイフトシリーズの間に、物理的な違いがあるとの報告を受けた。現地の車両で一連の追加衝突試験を実施し、懸念される点がいくつか見つかった」とコメント。
厳密に評価方法が同じかは不明ながらも、欧州とオーストラリアで評価結果が大きく異なっている模様
加えて同氏は、「欧州で販売されているスイフトが獲得した3つ星評価と比較すると、オーストラリアとニュージーランドで販売されている車は衝突試験で異なる結果だった」語り、スイフトには様々な課題が残っていることも指摘。
ちなみにユーロNCAPの性能評価では、成人乗員保護スコアと子供乗員保護スコアはそれぞれ67%と65%でしたが、これは5つ星を獲得するための「80%」の基準に満たず、成人乗員保護スコアは4つ星を獲得するために必要な「70%」にも満たなかったことを意味します(だから3つ星という結果に)。
しかしながら、オーストラリア向けに準備されたスイフトで評価を行った結果、成人保護は僅か47%、子供保護は59%と更に低い性能だったことから、現地の成人乗員保護スコアである総合2つ星に必要な「50%」の基準をクリアできなかったから、最低評価の「1つ星」になってしまったわけですね。
ANCAP CEO「スイフトを製造する日本の工場の品質に問題があるのでは?」
一方の交通弱者試験においては、ユーロNCAPとANCAPのテストでそれぞれ同じ76%のスコアをたたき出し「5つ星」を獲得。
ただし安全支援技術部門では、欧州で62%、オーストラリアで54%という結果になっているため、ある特定の分野もしくは各国で注目するポイントの違いによっては、評価結果が大きく異なって来るのかもしれませんが、そこまで細かな違いが記載されているわけでもなく追求することもでないのがモヤモヤするところ。
こうした結果を見ると、スイフトは日本や欧州、オーストラリア向けに生産されているにもかかわらず、成人保護テストの結果に大きな差(47% or 67%)が見られるのも疑問に思う所ですね。
本件についてカーラ・ホールウェグ氏は、「国内で販売されているスイフトの構造要素や装置の一部は堅牢性に欠けており、衝突性能にバラツキが生じているようだ」として、スズキの日本工場の製造品質にも問題があるのでは?と指摘しています。