日産が2024年度の通期連結業績見通しで過去最多となる「7,500億円の赤字」と発表!2025年3月度及び2024年度の生産・販売・輸出実績も公開
ここまで自動車メーカーの赤字が膨れ上がった決算は珍しい
2025年4月より、日産は新社長のイヴァン・エスピノーサ氏が操縦桿として仕切っていくことになりますが、同月24日に「2024年度の通期連結業績見通し」の修正版を明らかにしました。
日産は今回の修正により、2024年度の販売台数は335万台となる見通しであることを発表し、売上高は12兆6,000億円、営業利益は850億円となる見込み。
これは主に、競争環境の変化や販売パフォーマンスの悪化によるものとのことですが、今後はアメリカのドナルド・トランプ大統領による自動車関税25%も影響し、更に悪化することが予想されます。
何と最終的な純利益は7,500億円赤字と過去最多
早速、日産の2024年度の通期連結業績見通しについて見ていきましょう。
■売上高:12兆6,000億円
前回見通し:12兆5,000億円
増減(対前回見通し):+1,000億円■営業利益:850億円
前回見通し:1,200億円
増減(対前回見通し):-350億円■当期純利益:-7,500億円~-7,000億円
前回見通し:-800億円
増減(対前回見通し):-6,700億円~6,200億円
以上の通りとなります。
当期純利益としては、まさかの最大-7,500億円とのことで、日産としては過去最多赤字を記録することになります。
こうした要因については、現在推進している「ターンアラウンド」の取り組みに関する費用等により、当期純損失が-7,500億円~-7,000億円になると見込んでいるとのこと。
これには北米や中南米、欧州、日本における資産の徹底的な見直しによる5,000億円を超える減損損失および、600億円を超える構造改革費用が含まれています。
日産は、厳しい事業環境を乗り切るための十分な資金を確保していて、年度末で自動車事業の手元資金は1兆4,980億円。
自動車事業のネットキャッシュは2兆2,000億円を見込んでおり、販売金融会社に対する貸付金1兆2,000億円と合わせて3兆4,000億円の流動性を維持していますが、そもそもこのキャッシュをどこまで維持できるかも気になる所です。
なお2024年度末の自動車債務残高は、前年度比でほぼ横ばいとなる1兆9,000億円となる見通しです。
今回の発表について日産新社長であるイヴァン・エスピノーサ氏は、以下のようにコメントしています。
私たちは、自社の業績と生産に関わる資産を精査し、通期見通しを修正しました。
当期は大幅な純損失を見込みますが、主な要因は資産の減損損失と、今後の事業安定化に向けたリストラ費用です。
私たちは困難な状況に直面していますが、当社には潤沢な財務基盤と強力な商品ラインアップがあります。
今後も強い意志を持って、日産の再建に取り組んでいきます。