なぜ「フラッシュドアハンドル」は危険なのか?中国で議論される『厳しすぎる規制』と、命に関わる深刻なトラブル事例も
(続き)中国にて重要な議題として挙げられるフラッシュドアハンドルについて
引き続き、中国にて重要な議題として挙げられているフラッシュドアハンドルの再設計について見ていきましょう。
中国が求める要件は、具体的な根拠があった上で示している模様
先ほどの草案のなかにあった重要な要件についてですが、中国自動車標準化研究院の副院長である容輝 氏によると、この提案は広範な研究に基づいているとのことで、単に厳しい要件を追加しただけではないとのこと。
中国メディアWeixinの取材に対し、同氏は「研究チームが230台以上の車両を調査し、20車種で事故試験を実施、国内外100以上の組織の専門家にも助言を求めた」と説明。
最終的な目標は、停電時でもドアハンドルが機能し続けることを保証し、車内外のドアハンドルの配置に関する一貫した基準を確立することとしていて、すなわち緊急時でも正常且つ確実に作動することが、フラッシュドアハンドルに求められる「必要最低限の義務」としています。

この規則案は、フラッシュドアハンドルやポップアウトドアハンドルに対する世界的な批判の高まりを受けて策定されたもので、アメリカではNHTSA(運輸省道路交通安全局)が、いくつかの注目を集めた事故を受けて、これらのドアハンドルの安全性について調査を行っている最中。
量産車にフラッシュドアハンドルをいち早く採用したテスラは、乗員の挟まれ事故が相次ぎ、なかには子供も巻き込まれたことを受け、対応策を見直しているところ。

ちなみにテスラの場合、今回の改良案はフラッシュドアの外観デザインをそのままに、その背後にあるメカニズムを刷新するものとみられます。
再設計されたドアハンドルは、電子式と機械式のリリースシステムを一つの機能に統合することで、緊急時における操作性の向上を目指しているとのこと。
フラッシュドアハンドルは、私たちが想像する以上に深刻な問題を抱えている

テスラに限らず、他社の車両でも予期せぬ電源喪失により乗員が脱出できず、閉じ込められるという同様の事例が報告されています。
衝突事故で炎上するEVから乗員と運転者が脱出できず、死亡事故に至ったという、とんでもない事例もあります。
同様に重大なのは、ドアハンドルが機能しないと、救急隊員がキャビンに到達するために特殊な装備を必要とすることが多いため、救出するにも時間がかかってしまい、そのタイムロスによって救える命も救えなくなってしまう危険性があるんですね。

この議論に拍車をかけているのは、フォルクスワーゲンCEOであるトーマス・シェーファー氏で、「フラッシュドアハンドルは、操作がひどい」と批判したこと。
シェーファー氏は、同ブランドの今後のモデルは伝統的なデザインを採用すると説明し、この変更は主に顧客からのフィードバックによるもので、車内の物理スイッチ同様、実用的で使い勝手の機能を採用していく考えを示しています。
1ページ目:フラッシュドアハンドルに求められる技術的要件が厳しい?一体どのような要件が求められるのか




