ポルシェが”製造ミス”を歴史に変えた!限定車911 S/Tのシリアル重複を神対応で円満解決。一方でトヨタは新型カムリ/カロクロの「ボルト1本」で約5.5万台のリコールへ

シリアルナンバーが被ってしまうという致命的なミスが起きても、ポルシェの神対応によりオーナー同士が円満解決

ポルシェが911シリーズを1963年に販売して、60周年を記念した特別仕様車911 S/T (Porsche New 911 S/T)。

本モデルは、製造開始年となる1963年にあわせて世界限定1,963台のみ販売された貴重なスポーツモデルとなります。

実はこのモデルに付与されるシリアルナンバー「1,724」が、ポルシェのミスにより誤って2台に付与されたことがSNSを通して発覚。

ポルシェはこのトラブルを見逃すことなく、すぐに2人のオーナーに対して謝罪し、正式なシリアルナンバーを付与し、同じシリアルナンバー「1,724」同士を並べて記念に残すというサプライズを演出しました。


同じシリアルナンバー「1724」が付与されてしまった911S/Tが初対面

こちらが、ポルシェのミスによって全く同じシリアルナンバー「1,724」が付与された911 S/T。

何れも高度なオプション設定とカスタマイズが行われ、それぞれの個性と良さが引き出されています。

911 S/Tのパワートレインは、排気量4.0L 水平対向6気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力518hpを発揮、トランスミッションは6速MTを搭載し、車体重量は1,386kgと軽量仕様。

ちなみに、シリアルナンバー「1724」が改めて付与されたのは、右側のブルーカラーの個体で、オーナーはグアテマラ・ポルシェクラブ会長であるペドロ・ソリス・クルスマン氏(右側の男性)。

彼はどうしても「1724」のシリアルナンバーが必要だったそうで、その理由は、彼の母の誕生日が「17日」生まれで、父親が「24日」生まれだから。

なお、この個体は「ショアブルーメタリック」のボディカラーに身をまとい、ヘリテージデザインパッケージやカーボンファイバー製ロールケージを装備。

一方で左側「ローズレッド」のボディカラーに身をまとい、ガードレッドのインテリアレザーが施された911 S/Tですが、こちらのオーナーはスーザン・タヘル氏 (左側の女性)。

彼女は「1724」のナンバーに特別な思い入れは無かったため、何の不満も無くペドロ・ソリス・クルスマン氏にシリアルナンバーの権利を与え、彼女には新たなシリアルナンバーが付与されました。

同じシリアルナンバーになってしまった理由は「職人による手作業でのミス」

ちなみに、今回の同じシリアルナンバーが付与されたミスについて、ポルシェのゾンダーヴンシュ部門ディレクターであるカール・ハインツ・フォルツ氏は「製造には多くの専門的な手作業(ハンドメイド)が伴い、人間が関与するということはミスが起きる可能性があるということです」と説明。

加えて、「重要なのは、そうしたミスにどう対処するかです」と話し、両オーナーに謝罪し、ミスを訂正することが重要だと説明しました。

メーカーのミスをメーカー自身が「歴史として残したい」

今回の911 S/Tのシリアルナンバーミスに納得・理解した両氏は、ツッフェンハウゼンにある本社への招待状、2台の車の写真撮影、そしてそれぞれの車の内外装色のサンプルが入った専用ボックスがプレゼントされました。

自動車メーカーが「自らのミスを歴史として記録したい」と思うことは滅多にありませんが、この小さなミスこそが、時に真にユニークなものを生み出す、車作りにおける人間的な側面を示していて、一方で顧客側の品位が非常に高いことも影響しているのかもしれませんね。

ゾンダーヴンシュ (Sonderwunsch)の意味とは?

なお、これは余談ですが、ポルシェが展開するカスタマイズプログラム「ゾンダーヴンシュ (Sonderwunsch)」の意味は、「Special Request (特別なリクエスト)」で、簡単にいえば特注。

またその一方で、ドイツ語で「特別な願い」をも意味し、ポルシェが長年培ってきたビスポーク(注文製作)文化を体系化した特注プログラム。

今回のように「1724」という思い入れのある数字を、オーナーからの特別な願いによって実現・昇華したポルシェの粋な対応も、自動化が進む昨今において「ハンドメイド」だからこそ実現した偶然の産物であり、特別な願いだったのかもしれません。

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