マツダが2003年にユニークなコンセプトモデル・イブキ(息吹)を発表していた!後のNCロードスターにつなぐゴリゴリのオーバーフェンダー

マツダは2003年にとんでもないコンセプトモデルを発表していた!

マツダが現在ラインナップするオープン2ドアモデルといえばNDロードスターですが、同社は過去(2003年)に東京モーターショー2003にて、NAロードスターからインスピレーションを受けたユニークなオープン2ドアモデル・イブキ(息吹/Ibuki)を発表していたことをご存知でしょうか?

直近だと東京オートサロン2025にて、新型MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER及び、MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12Rの市販モデルを発表しましたが、実はこれらのモデルよりも更に過激な見た目のコンセプトモデルに仕上げられています。


ベースはNAロードスターながらも、その匠ともいえる技術は後世にも大きな影響を残した

こちらが東京モーターショー2003に出展された、NAロードスターをベースにしたコンセプトモデルのイブキ(息吹/Ibuki)。

ボディサイズは、全長3,640mm×全幅1,720mm×全高1,229mm、ホイールベース2,329mmと非常にコンパクトなボディでありながらも、ロータリースポーツモデルでお馴染みとなるRX-8のハイマウントバックボーンフレームをベースに、オープンボディとするためにトンネル下にロアバックボーンフレームを設定したものになるため、オープンモデルでありながらもクローズドボディに匹敵するほどの剛性を確保したマツダ渾身の一台となっています。

パワートレインは、排気量1.6L+ハイブリッドシステムを採用し、システム総出力180hpを発揮。

駆動方式は後輪駆動[RWD]で、トランスミッションは6速マニュアルギアボックス(MT)のみをラインナップ。

そしてマツダ・イブキは、過去と現在、そして未来を視覚的につなぐために開発された非常に特徴的なスタイリングを持つ一台で(特に個性的なヘッドライトは、ケーニグセグ・アゲーラのリアテールのヒントにもなったとか…)、後のNCロードスターへとつなぐ重要な技術を持ち、それでいて市販車では流用することのできなかったフロント・リアオーバーハングをとことんまで削りつめたアグレッシブなボディスタイルのため、全長はNBロードスターよりも381mmも短くなっています。

上記にもある通り、フロント・リアデザインはNAロードスターから直接的なインスピレーションを受けていますが、足元には何と大口径タイプの18インチマグネシウム合金ホイールを装着し、コンセプトモデルらしい外側へと張りだしたゴリゴリのオーバーフェンダーを採用。

使用しているパーツもコンセプトモデルらしく採算度外視で作ったドリームカー

そしてエンジンレイアウトは、当時販売されていたNBロードスターよりも400mmも後方へと移動され、更に41mmも低く搭載されているためフロントマウントエンジンというよりは、ほぼフロントミドシップへと変更。

繰り返しにはなりますが、パワートレインは排気量1.6L 直列4気筒ガソリンエンジンを搭載し、更なる加速性能とエンジン振動を抑制した電気モーターを組合わせたハイブリッドシステムを採用。

更には、軽量仕様のフライホイールを装着することでレスポンス性能を大幅に向上させています。

なお車体重量については明らかにされていませんが、マツダによれば「究極のライトウェイトオープンモデル」を目指した一台であり、そのためにはリアフロアパネルに強化プラスチックを採用したり、アルミ製のブレーキディスクやカーボンファイバプロペラシャフト、パワープラントフレームといった軽量素材の活用により、とことんまで軽量化を詰めましたが、市販化するにはあまりにもコストがかかり過ぎているため、最終的にはコンセプト止まりという結果に。

インテリアも軽量化に努めるため、オーナメントパネルには全てアルミが活用されていましたが、量産性に向かない複雑な加工が施されていたためお蔵入り。

まさにコンセプトモデルとしては十分に相応しい一台であった個性的なモデルだと思いますね。

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