フルモデルチェンジ版・ホンダ新型「N-WGN/N-WGN Custom」に約1万台の大量リコール。理由はもちろん電動パーキングブレーキによる不具合…なぜカー・オブ・ザ・ヤー公表後に届け出?

2020-05-27

~最も恐れていた電動パーキングブレーキのリコールが現実に~

前回の記事でもお伝えした通り、ホンダのフルモデルチェンジ版・新型「N-WGN/N-WGN Custom」の2車種・計9,437台に大量リコール(おそらく生産・出荷停止前の製造分全てと推測)。

リコールの内容としては、制動装置(電動パーキングブレーキアクチュエーター)と制動装置(スプリングパッケージ)の不具合によるもので、まず電動パーキングブレーキにおいては、アクチュエーター内のモーター配線接続部の圧着端子の加締めが不十分、または、モーターのコンミテーター及びブラシの製造が不適切なために、走行振動でモーター内の接触抵抗が一時的に増加するとモーター回路断線検知信号が乱れてVSAが異常を検知し、故障と判定することがありますとのこと。

そのため、警告灯、警告表示が点灯して、駐車ブレーキが作動しなくなる、または、駐車ブレーキが解除できなくなるおそれがありますとしてリコールを届け出ています。

もう一つの電動パーキングブレーキにおいては、ドラムブレーキシューの拡張、収縮を行うためのスプリングパッケージの作動ストローク設定が不適切なために、パーキングブレーキ解除時に当該スプリングパッケージがシュースプレッダボディに干渉し、モーター負荷が高くなることがあるとのこと。
そのため、モーターの電流値が閾値を超えてVSAが異常を検知し、警告灯、警告表示が点灯して駐車ブレーキが作動しなくなるおそれがあるとしてリコールを届け出ています。

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対象モデルをしっかりとチェックしていこう!

なお、気になる対象モデルは以下の通り。
これによる事故は発生していないものの、既にそれぞれ302件/20件の不具合が発生しており、車内情報により明らかになっています。

【リコール対象モデル一覧】
[対象型式/対象車台番号/製作期間/対象者台数]

[N-WGN/N-WGN Custom]
6BA-JH3/JH3-1000020~JH3-1007325/令和元年7月4日~令和元年8月30日/5,624台

6BA-JH3/JH3-2000011~JH3-2002741/令和元年7月4日~令和元年8月30日/2,069台

・6BA-JH4/JH4-1000005~JH4-1001706/令和元年7月4日~令和元年8月30日/1,222台

・6BA-JH4/JH4-2000015~JH4-2000765/令和元年7月4日~令和元年8月30日/516台

[N-WGN]
6BA-JH3/JH3-8000001~JH3-8000005/令和元年8月7日~令和元年8月19日/5台

・6BA-JH4/JH4-8000003/令和元年8月7日/1台

改善措置としては、左右電動パーキングブレーキアッセンブリーを対策品と交換するとともに、VSAモジュレーターのモーター回路断線検知プログラムを書き換えることと、左右電動パーキングブレーキアッセンブリーを対策品と交換するリコール作業を実施するとのことです。

~なぜこのタイミングでのリコールなのか?~

なお新型「N-WGN/N-WGN Custom」は、日本カー・オブ・ザ・イヤー2019の”10ベストカー”にも選出されたモデルで、ダイハツ新型「タント/タント・カスタム」、トヨタ新型「RAV4/カローラ」、日産・新型「デイズ」といったモデルが存在するなかに含まれたのは非常に素晴らしいことだとは思うのですが、まさか日本カー・オブ・ザ・イヤー2019にて選出された後にこういったタイミングでリコールを届け出るというのは驚き。

既にこの問題は発売前から問題視されていましたし、それでもなお販売を急がせたのには何か理由があるとは思うのですが、ユーザーの安全を第一に考えているのであれば、やるべき優先順位をしっかりと見極めてほしかったところです。

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Reference:Honda