世界限定60台のブガッティ新型シロン・スーパースポーツで最高速440km/hを達成するも、未だ評価は終わらず…評価中は100個ものセンサーを使用し、大量の虫の死骸がフロントバンパーに付着

最高時速400km/h以上の世界に到達するには、ドライバーの相当な覚悟とデータ解析が必要になる

ブガッティが世界限定60台のみ販売したばかりの新型シロン・スーパースポーツ(Bugatti New Chiron Super Sport)は、ロングテールスタイルで直線性に特化しながらも、車内の快適性や実用性も両立した究極のハイパーカーと云われています。

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そんな新型シロン・スーパースポーツの最も大きな特徴が最高時速440km/hに到達するというもので、過去に世界限定30台のみ販売され、当時量産モデルとして世界最高時速を更新したシロン・スーパースポーツ300+の490.484km/hまでは届かないにしても、フェラーリやランボルギーニ等のスーパースポーツモデルでは到底追いつくことのできないスペックであることは確か(概ね340km/h前後)。

【490+ kilometers per hour | Bugatti Chiron | Speed record】

そんなシロン・スーパースポーツの最高時速評価を行う際、ブガッティは確実なデータ解析と記録を残すために、全100個ものセンサーを取り付け、専属ドライバーも相当な覚悟を持って評価に臨んでいます。


なお新型シロン・スーパースポーツの最速出荷時期は2021年8月下旬の予定だが…

こちらが新型シロン・スーパースポーツのテストモデルにて、最高時速440km/hにまで到達した瞬間だそうですが、このデータを正確に取得するために、温度や圧力などを含む全100個ものセンサーを追加取付けして実施。

そもそも400km/hという未知のスピードに到達するために、最低でも3.5kmもの直線が必要になり、それだけの直線距離が準備された場所はブガッティ専用コースのみになってしまうわけですが、400km/h以上もの速度になるとフロントバンパーには虫の死骸が無数に付着し、更にはフロントバンパーの塗装が若干剥がれているようにも…

300km/h以上ものスピードになってしまうと、真っすぐ走らせるだけでも相当な集中力が必要になるわけですが、ほんのちょっとした段差を乗り越えるだけでもコントロールを失う恐れがあるため、こういった最高速の評価を行う専属ドライバーもある意味命がけ。

しかもこのモデル、2021年8月下旬より順次顧客向けへと出荷される予定とのことですが、現時点ではまだ発生し得るねじれ問題を解消する必要があり、順次評価を進めているとのこと(つまり2021年6月末時点で評価は完了していない)。

やはりスピードに特化したモデルである以上、ほんの少しでも妥協を許すようなことになれば、ドライバーの生命に関わることでもありますから、ブガッティとしても生産ギリギリまでは完璧を求めていきたいのだと考えられます。

車両本体価格だけを見れば確かに高額だが、開発費用などを考えると完全な赤字

新型シロン・スーパースポーツの車両本体は約4.2億円と超高額で、オプション込みになると5億円以上は確実ですが、そもそも生産台数が僅か60台であることや、たった60台のためだけに莫大な開発費用をかけているとなると、とても60台分だけでは開発費用分を回収することは難しく、「売れば売るだけ赤字になる」のがブガッティ。

それだけ採算度外視のモデルであること、ブガッティが特別なモデルを特別な顧客に提供したいという想いで成り立っているメーカーであることは理解していますが、まずは安全かつ確実に出荷に間に合うのかが気になるところです。

何ともユニークな”木で製作されたシロン”が話題に!気になる続きは以下の次のページにてチェック!