トヨタ新型カローラクロスが納車されて1か月が経過!季節性の影響で燃費は10km/L付近…戦略的ともいえる「普通」ジャンルを開拓し、ここまで評価の難しいモデルは珍しいかもしれない

2022-09-10

引き続き、トヨタ新型カローラクロスの納車後1か月のインプレッションをチェック

新型カローラクロスの走りは街乗りがベスト?

続いてトヨタ新型カローラクロスの走りについて。

これはあくまでも私の感覚的な話になってしまうのですが、普段の街乗りをメインで活用する分には何も不満はないものの、アップダウンやコーナリングのあるマイナーロードや峠道、そしてスピードやトルクを要する自動車専用道路/高速道路では、SUV+ガソリンモデル特有の「重々しさ=もっさりした加速」、そして背高いSUV特有の「重心の高さによる不安定さ」が顕著に表れるのが気になるところ。

私が所有しているのは、排気量1.8L 直列4気筒自然吸気エンジンを搭載するガソリンモデルのため(車両本体価格は264万円税込)、どうしてもハイブリッドモデルに比べるとモーターのアシスト力が無く、出足のトルク感の無さやもっさりした加速感は、ちょっと不満に感じてしまう部分があるかもしれません。

またSUVモデル特有の重心位置が高いというのは、スタイリング上致し方ないため、どうしてもセダンやクーペ、ハッチバックに比べるとバランス面では劣るのは仕方のないところ。

ただ、コーナリングのキツイところだと、カローラクロスが少しロールして外側に膨らんでしまうことが多く、足回りのチューニングの問題なのかは不明ですが「踏ん張りがききにくい」というのはちょっと気になるところですね(一方で同じ18インチアルミホイールを装着し、全く同じタイヤ銘柄を装着している新型ヴェゼルだと、ロールはほとんど出ず、しっかりと通過してくれる)。


新型カローラクロスの実燃費は?

続いて新型カローラクロスの実燃費について。

これは季節性のこともあり(2021年11月~12月とほぼ冬のため、エアコンも活用している)、且つ基本的に近場&街乗りがメインになるため燃費はそこまで良くないのですが、450km近く走っての実燃費は10.2km/L。

私が所有しているモデルは、ノンハイブリッドのガソリンZ(2WD)になるため、WLTCモード平均燃費だと14.4km/L、市街地モードだと9.8km/L、郊外モードだと15.6km/L、高速道路モードだと17.0km/Lとなるため、市街地モードメインだと「カタログ燃費と同等」と考えて良いのかもしれません。

ちなみにガソリンモデルだと、燃料タンク容量は47Lとなるため、単純計算で無給油470kmぐらいになりますが、390kmぐらい走行して給油警告灯が点灯しているため(航続可能距離は26kmと表示)、実質的には420km~430kmが限度なのかもしれません。

詳細については、今後の給油・燃費報告の記事にてご紹介できればと思います。

新型カローラクロスは、よく考えられた戦略的な車だと思う

以上が、新型カローラクロスが納車されて1か月経過しての雑感となりますが、基本的に使い勝手の良いモデルで、気軽に乗りこなせることを考えると、総じて満足度としては非常に高いのですが、パワーが必要な場面や走る場所などによっては「価格相応のモデルなんだな」というのが正直なところで、良くも悪くも本当に「普通の車」なんですね。

ただ、ここがトヨタの戦略的なところだと思われ、価格帯以上のモデルではなく、まさに価格に見合った直球ど真ん中のシンプルな一台なので、評価の難しさはあるけれども、当たり障りのなさが他のモデルには無い強みの一つになっているのだと思います。

このご時世すぐに批判・炎上の対象になったり、何でもかんでも表立って評価できるようになりましたが、そういったことを恐れずに堂々と「普通の車」を作り上げるって中々に勇気のいることだと思いますし、個性やアピールポイントが重要となる車業界のなかで「普通」というジャンルは有りそうでなかったので、ある意味王道でありながらも完成された戦略的な一台なのではないかと考えています。

こうした「普通」というジャンルが確立できるのも、おそらく様々なセグメントのSUVをラインナップするトヨタだからこそできる芸当だと思いますし、もしかしたら他の自動車メーカーからは、こうした普通のSUVに対抗するモデルを出してこないのでは?というのが、実際に1か月所有し続けて感じたところでもあります。

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