長納期問題で挽回生産を試みるも「マンパワーによる異常な生産計画だった」とトヨタ。「現実に即した生産計画に見直す」と報道…新型ノア/ヴォクシーの納期もかなり厳しい事態に

「挽回生産」の言葉だけが独り歩きしてしまい、実際は「マンパワー&半導体不足による異常な生産計画」だった?

さてさて、2021年後半頃からトヨタが挽回生産に取り組むと語られるも、昨今の諸事情による部品供給不足や半導体の供給不足により、挽回生産どころか更なる長納期状態が続いてしまい、少量生産でありながらも2万台以上/5,000台以上のバックオーダーを抱えるフルモデルチェンジ版・新型ランドクルーザー300(Toyota New Land Crusier 300)/レクサス新型LX600は、それぞれ「4年程度」の長納期となっています。

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もちろん、新型ランクル300や新型LXだけでなく、トヨタ/レクサスのラインナップモデルの多くが長納期状態が続いていて、一向に納期短縮につながっていないのが現状です。

こうしたなか、海外メディア・ブルームバーグ(Bloomberg)より、トヨタが生産計画の見直しを行う予定と報じています。


ここからトヨタが全社一丸となるきっかけになると良いのだが…

ブルームバーグが報じた内容は以下の通り。

半導体不足などによる減産の挽回生産に取り組んでいるトヨタ自動車の豊田章男社長が9日、人員や設備などの能力を超えた足元の生産計画について「異常」だとし、現在の生産計画を現実に即したものに見直すことを正式に決定したと述べた。

同日付のトヨタの自社メディア「トヨタイムズ」が報じた。

トヨタイムズの記事によると、豊田氏は9日開催された春闘の労使交渉の締めくくりでコメント。

4月から6月を「意思ある踊り場」として安全・品質を最優先に、仕入れ先の状況を踏まえた基準となる計画を作り、健全な職場環境を整えたいと思っていると述べたという。

via:Bloomberg

こうした報道がなされるということは、「これまでの挽回生産に関する報道は何だったのか?」という疑問もありますが、おそらく上層部と現場との明確な意思疎通・コミュニケーションが取れていなかった恐れがある一方(いわゆるマンパワー)、半導体の供給不足などによる製造現場側では対処し切れない物理的な問題が重なったことも大きな影響の一つだと考えられます。

またトヨタは「現在の生産計画を現実に即したものに見直すことを正式に決定した」とコメントしていますが、そうなると納期は今まで以上に遅れてしまう恐れも高そう。

参考までに、以下にトヨタ公式が公開している工場出荷時期をまとめていますが、あくまでも2022年3月4日時点での情報になるため、おそらく9日以降になると更に長引くことが考えられ、最新情報が展開される可能性があるので、情報が明らかになり次第当ブログでも展開できればと思います。

2022年の目玉ともいえるミニバン系の最新工場出荷目途を見ていこう

早速トヨタの現行ラインナップモデルの工場出荷目途をチェックしていきましょう。

ちなみにトヨタ公式が公表している工場出荷時期目途というのは、あくまでも「販売店で注文」→「メーカーで生産・工場出荷」するまでの流れをさしていて、その後の「各販売店への輸送」→「販売店オプションの装着・納車準備」→「顧客へと納車」すると納車時期とは異なるため、大体の参考として「納車時期=工場出荷時期目途+1か月ぐらい」と考えた方が良さそうです。

まずはコンパクトカー/ミニバン/ワゴン系をチェックしていきましょう。

【トヨタ新車工場出荷目途(納期)一覧】

[コンパクトカー]
◇新型ヤリス・ガソリン:工場出荷目途5か月~6か月程度(2022年3月4日時点)

◇新型ヤリス・ハイブリッド:工場出荷目途4か月~5か月程度(2022年3月4日時点)

◇新型アクア:工場出荷目途4か月~5か月(2022年2月25日時点)

◇ルーミー:工場出荷目途2か月程度(2022年3月4日時点)

◇パッソ:工場出荷目途2か月~3か月程度(2022年3月4日時点)


[ミニバン/ワゴン]
◇新型シエンタ・ガソリン:工場出荷目途1か月~2か月程度(2022年3月4日時点)

◇新型シエンタ・ハイブリッド:工場出荷目途2か月~3か月程度(2022年3月4日時点)

◇新型ヴォクシー・ガソリン:工場出荷目途3か月程度(2022年3月4日時点)

◇新型ヴォクシー・ハイブリッド:工場出荷目途6か月程度(2022年3月4日時点)

◇新型ノア・ガソリン:工場出荷目途3か月程度(2022年3月4日時点)

◇新型ノア・ハイブリッド:工場出荷目途5か月~6か月程度(2022年3月4日時点)

◇アルファード:工場出荷目途3か月~4か月程度(2022年3月4日時点)

◇ヴェルファイア:工場出荷目途3か月~4か月程度(2022年3月4日時点)

◇ハイエース:工場出荷目途2か月~3か月程度程度(2022年3月4日時点)

◇グランエース:工場出荷目途3か月程度程度(2022年3月4日時点)

2022年の目玉ともいえる新型ノア/ヴォクシーも、グレードやオプションによっては「未定」になっている?気になる続きは以下の次のページ(2ページ目)にてチェック!