トヨタ新型GR86のオーナーが「ドリフトでエンジンが故障」を報告→ディーラー側は「そんな使い方では保証はしない」→SNS「ドリフトでGR86をアピールしていたのにおかしい」

2022-08-05

メーカー側は「ドリフトはあくまでもイメージです」と言ってしまいそうだが…

トヨタとスバルの共同開発モデルで2021年にはフルモデルチェンジを果たしたトヨタ新型GR86/新型BRZ。

2022年7月24日には、生誕10周年を記念した特別仕様車GR86/BRZ 10th Anniversary Limitedが発表され大きな話題となりましたが、今回GR86が”とある理由”で故障 → ディーラーとトラブル → SNSにてトラブルの理由・経緯を報告したことがきっかけで、「確かに修理されないのはおかしい」と注目されています。

これはどういうことかというと、新型GR86を所有する海外オーナーBlake Alvarado氏がSNSにて投稿したことから発覚したもので、納車されて数か月しか経過していない2022年モデルの新型GR86が、ドリフトしていてエンジンが故障してしまったのだとか。

しかし、これをトヨタディーラーにて修理依頼したところ「このような過激な使い方をされた場合、当社では修理できない」と拒否されたそうです。


新型GR86/BRZの公式プロモーションの多くが「ドリフト」

「いやいや、そんな非日常的な使い方したらディーラー側も拒否するのは当然でしょ?」と思われる方も多いと思いますが、確かに一般的に見たら「公道走行とは関係の無いところでドリフト」することはおかしいことだと思います。

しかしながら、新型GR86/BRZに関しては、普段の日常使いのシーンに加えて、「サーキットでのドリフトシーン」を”これでもかっ!”とばかりに猛アピールする動画が公開されているんですね。

【GR86 [THE FR] | 30s】

これは使い方云々というよりも、新型GR86の本来のウリでもある後輪駆動(FR)を強みとしたドリフト走行を、メーカー公式が堂々と発表したにも関わらず、蓋を開けてみたら「あんな使い方(ドリフト)をしたら、メーカー保証などできない」と拒否。

もしかすると、メーカーとしては「ドリフトはあくまでもイメージです」的な意味合いでPR動画を公開した可能性も”ゼロ”ではないにしても、結果的に修理見積もりとなる11,000ドル(日本円に換算して約147万円)をGR86オーナーに請求してきたことを考えると、「結局あのPR動画や広告って何だったんだ」と思うのが正直なところ。

ちなみにこのトラブルですが、新型GR86を所有するオーナーのBlake Alvarado氏がドライビングイベントでドリフトした際にエンジンブローしてしまったそうで、しかしトヨタ公式がPR動画にて公開するような激しいドリフトとは大きく異なるものであるとオーナーも主張。

ドリフト走行した時点でのエンジンブローは保証適用外として扱われる

しかもこのトラブルについては、2022年7月10日にオイル不足が原因で故障してしまい、その後のエンジンの調査で「ロッドベアリングが故障」していることが発覚し、更にオイルピックアップチューブにグレーのシーラントが見つかったと報告されています。

納車されて僅か数か月間で走行距離 約2.1万kmも走られている新型GR86ですが、エンジンの不具合に関しては、納車されて数か月後より定期的にディーラーにもチェックしてもらっていたそうですが、オーナー曰く「トヨタディーラー側はしっかりと点検をしていなかった」と説明。

今回の例に関しては、トヨタディーラーの技術スタッフも保証の範囲内で修理できるものではなく、「オーナーがドリフト走行を行ったから」という理由で保証・無償修理依頼を拒否したことから、最終的にSNSにて事の経緯を投稿したことがきっかけで拡散され、海外カーメディアでも大々的に取り上げられています。

2ページ目:トヨタ公式がサーキット走行を推奨しているのになぜ?実は国内でもエンジンブローの報告例が挙がっている模様