ホンダ新型シビックタイプR(FL5)を高速道路にて走らせて感じたこと。高速域でハンドルが曲がる方向と逆の力が働く感覚はフェラーリ812スーパーファストに似ている件

直前にフェラーリ812スーパーファストを試乗させていただいたからこそ、ダイレクト感と高速域でのステアフィールはFL5と少し似ていた

2022年10月に納車されてもうすぐ7か月が経過する、ホンダのフルモデルチェンジ版・新型シビックタイプR(Honda New Civic Type R, FL5)。

今回は、いつもお世話になっている友人のフェラーリ812スーパーファスト(Ferrari 812 Superfast)を高速道路試乗させていただいた後、にシビックタイプR(FL5)にて高速道路を走らせた際のインプレッションお届けしたいと思います。
※あくまでも私個人が感じた印象に過ぎないため、人によっては印象が異なる場合もありますから参考程度に見て頂けますと幸いです

エンジンや駆動方式、ボディスタイル、価格帯も全てが異なる2車ですが、こうして実際に乗り比べてみると、トータルでのステアフィールは異なれど、高速域に到達したときのフィーリングは若干似ていますし、改めてシビックタイプR(FL5)がどれだけコスパの高いモデルなのかが再確認できたように感じられます。


ある一定の高速域に到達したときのシビックタイプR(FL5)は、曲がる方向とは反対側にステアリングに力が働く

それでは、シビックタイプR(FL5)のステアリングフィールについてチェックしていきたいと思います。

まず一番最初に注目しておきたいのが、シビックタイプR(FL5)に装着しているタイヤ銘柄。

タイヤ銘柄は、ホンダとミシュランが共同開発にて作り上げたオリジナルのパイロットスポーツ4S(Michelin Pilot Sport 4S)。

このタイヤは、シビックタイプR本来のパフォーマンスとサーキット走行での実力を発揮するだけでなく、公道仕様モデルとして普段使いもできるマルチなタイヤであることを目標にして作られたオリジナルになるため、従来ミシュランが販売しているパイロットスポーツ4Sとは異なり、専用の金型とトレッド面の溝も細くしているのが特徴です。

タイヤ幅としては、フロント・リヤ共に共通の265/30ZR19インチを装着するため、タイヤローテーションが可能である一方、ミシュランとしては前輪駆動(FF)ベースのスポーツモデルに幅265mmのタイヤを採用したことがなかったために、開発には相当な時間とコストがかかったと云われています(各リブでコンパウンド(ゴムの配合)を変化させているのも重要ポイント)。

そのため、一般道や中速域にて走らせた際のステアリングフィールは重めで、しかしステアリングを切った分だけしっかりと曲がる所は、シビックタイプR(FL5)の足回りの良さとタイヤのグリップ力の影響だと思うんですね。

高速道路でのステアリングフィールは軽めながらも、コーナーに入ると曲がる方向とは逆に力が加わる?

そんな特別な純正タイヤを装着したシビックタイプR(FL5)で高速道路を走らせて行くと、100km/h制限となるような高速エリアの場合、従来の60km/h未満の一般道に比べると乗り心地(安定感)、ステアリングフィールも若干軽やかになるものの、その一方で気になっていたのがステアリングの振れ(挙動)。

例えば高速道路で左側車線を走行し、左側に曲がるようなRコーナーがあると、曲がる方向に対してステアリングが少し反対側(右側車線側)に力が働く傾向にあるんですね。

表現を変えると「ちょっと外側に膨れる?」ような印象ですが、フィーリングとしてはオーバーステアにならないようなグリップ感と接地感というイメージではあるものの、あくまでも私個人が感じたことでもあるため、そのときの路面状況や走り方、速度、天候によってはフィーリングも変化してくるかもしれません(とりあえず地面に張り付くようにして曲がるという印象は健在)。

2ページ目:高速道路のカーブで外側に膨らむことと、Honda SENSINGのLKASとの関係も一致する?フェラーリ812スーパーファストとのフィーリングも似ている?