メルセデスベンツにまたもディーゼルゲート問題?ユーロ6排ガス基準を回避するため、不正ソフトウェアを使用した疑い。(米)日産の新型フェアレディZ NISMOの価格がリーク

2015年のディーゼルゲートスキャンダルから8年が経過するが、まさか未だにメルセデスベンツは不正を続けていたとは…

2015年9月に明らかになった、フォルクスワーゲンのディーゼルゲートスキャンダルを受けて、世界中の政府機関が自動車メーカーに対する厳しい監視を続けています。
※ディーゼルゲートとは、米国の政治スキャンダルとして有名なウォーターゲートをもじった造語

ドイツ連邦自動車交通局(KBA)よりリークされた情報によると、ドイツの自動車メーカーでお馴染みとなるメルセデスベンツは2023年夏、最新のユーロ6排ガス基準を回避するため、ディフィートデバイス(無効化装置)を使用した疑いがあるとして同局の標的となっていました。

この問題については、既に2023年3月の時点で排ガス検査にて不正の疑いを受けたばかりですが、どうやら今回、新たに2023年7月7日付の情報によれば、メルセデスベンツE350 BlueTecに使用されているOM642ディーゼルエンジンで見つかった、3つのソフトウェアベースの無効化装置が詳しく記載されていたことが明らかとなりました。


今回の不正問題に関して、メルセデスベンツは既に対策用のソフトウェアを開発しているとのことだが…

KBAよりリークされた情報並びに、ロイター通信の報道によると、先程の3つのソフトウェアのうち2つは、特定の温度パラメーターに基づいてエンジンの動作を変更していたことが判明。

KBAの書簡の中で、メルセデスベンツに対して、今回の問題を解決しなければ車両の運行が禁止され、リコールの届け出を促すと通告したとのこと。

この問題について、ドイツの環境消費者保護団体であるドイツ・ウムヴェルトヒルフェ(DUH)は2023年9月15日に、匿名の内部告発者から受け取ったリーク書簡を公表しました。

KBAに協力しているメルセデスベンツは、ロイター通信に対して問題に対処するために必要で適切なソフトウェアアップデートをすでに開発・展開していると説明していますが、肝心のアップデートプログラムの配信時期は明らかになっていませんし、本当にそのプログラムが信頼できるかどうかも不明。

欧州司法裁判所が、2022年7月にソフトウェアベースの無効化デバイスは違法であるとの判決を下した後、追加の精査が行われました。

KBAはメルセデスベンツに対し、7月27日までの遵守を認めていましたが、延長を受けたとロイター通信が報じました。

メルセデスベンツは、2021年にも更に悪質な不正を行っていた模様

ちなみに、DUHがメルセデスベンツを精査するのはこれが初めてではありません。

2021年11月、同組織はメルセデスベンツがユーロ6準拠のディーゼルエンジン(OM642エンジン)を搭載したEクラスには、8つの無効化装置を使用していると非難する公開報告書が発表されました。

DUHは、デバイスが違法であるとみなし、この装置により有害な窒素酸化物を中和するために必要なアドブルー(AdBlue)の注入量が削減されたと報告。

ディーゼルゲート不正問題は、メルセデスベンツだけに限った話ではないかもしれない?

フォルクスワーゲンのディーゼルゲート事件発覚から8年が経過した今でも、その影響に直面している自動車メーカーはメルセデスベンツだけではなく、2023年夏、裁判所はアウディの元最高経営責任者(CEO)であるルパート・シュタードラー氏に対し、スキャンダルへの関与を理由に110万ユーロ(日本円に換算して約1.7億円)の罰金を科しました。

彼は、懲役刑を回避するために自白し、自動車部品サプライヤーのボッシュは昨年、2,500万ドル(日本円に換算して約40億円)の罰金を支払ったと報じられています。

今回はメルセデスベンツが不正の疑いがかけられていますが、ロイター通信によれば、「他の自動車メーカーでも同様の不正が発生しているかもしれない」とのことから、今後更に監視が厳しくなるのではないかと予想されます。

2ページ目:アメリカでは未だ発表されていない日産の新型フェアレディZ NISMO(RZ34)の新車価格がリーク?!