フォレスター/レガシィ/アウトバックが「勝手に加速する」としてオーナーたちがスバルを提訴→スバルはコレを否定し「アクセルとブレーキの踏み間違い」と指摘
スバル車の年式を考えると、確かに「踏み間違い」の可能性も考えられ、そのほとんどが年齢層高め
交通事故「ゼロ」を目指し、予防安全装備に力を入れているスバル。
アクセルの踏み間違い防止など、近年問題となっている事故の要因を解消すべく、スバルは長年ドライビングサポートの改善に尽力しています。
そんなスバルのアメリカ法人であるスバル・オブ・アメリカが、ドライバーがアクセルペダルに足を近づけていないにも関わらず、車両が意図せず加速してしまうというオーナーからの一連のクレームを受け、訴訟問題に発展していることが明らかとなりました。
スバルオーナーが今回訴える内容には、「スバル車が予期せず前方に飛び出した」という恐ろしい状況を説明していますが、スバル・オブ・アメリカは、これらの問題に対して「アクセルとブレーキの踏み間違いである」と、今回の過失を断固として否定しているとのこと。
オーナーたちが訴えるモデルは、旧年式のフォレスター/レガシィ/アウトバックの3車種
訴訟大国アメリカにて発生した、今回の問題を一覧としてまとめると以下の通り。
◇スバルのオーナーたちは、2012年~2020年式のフォレスターや、2015年~2020年式のレガシィ、そして2015年~2020年式のアウトバックが意図せず加速する恐れがあると主張
◇スバルはこの主張を否定し、車両データの調査により、同社に対する訴訟で指摘された事故の原因は、「ペダルの踏み間違いだったことが示された」と述べている
◇アメリカ・ニュージャージー地方裁判所にて、この訴訟問題は未だ進行中である
今回の問題は、2020年に初めて集団での訴訟が始まり、2012年~2020年式のスバル・フォレスターと、2015年~2020年式のレガシィ、そして2015年~2020年式のアウトバックの購入者と、レンタカーとして活用した人物の代理人の訴えにより、ベルガー・モニグ法律事務所が対応しています。
原告らは「これらの車両には設計上の欠陥がある」と指摘していて、意図せず加速することは極めて危険であることを訴えています。
訴訟内容においては、今回対象となっているモデルには「コンポーネント間で信号を転送する統合された機械および電子デバイス」に欠陥があると指摘。
具体的には、リアルタイムデータアルゴリズムや、スロットルボディアセンブリの位置センサーにも欠陥があると主張していて、さらにブレーキオーバーライドシステムにも欠陥があると主張しています。
スバルオーナーの主張が何とも過激で、具体性にかける内容ではあるが…
スバルオーナーであるカレン・カルナ氏は、2016年式のフォレスターを所有していて、以前にボックストラックに衝突するという大事故の原因について、以下のように主張しています。
WSB-TVによると、彼女は地元の保育園を訪問中、車のアクセルペダルが”つかまって”床に落ちてしまったと語り、「目の前に何が起こるのか、誰かを殺めたり、自殺したり、自分や誰かを傷つけたりすることで、どのような決断を下さなければならないのかが分かりました」と、かなり過激な内容を主張しているとのこと。
スバル「ドライバーがペダル操作を誤った」
一方で、この主張に対してスバルは、これらの事故の調査中において「結果は常に、車両のドライバーがブレーキペダルではなくアクセルペダルを踏んだことを示している」と主張。
スバルは「スバル車で意図しない加速が確認された事例は1件も確認されていない」と自信を持って反論しているとのこと。
しかし、この訴訟を2022年に棄却するよう求めるスバルの申立ては、裁判所によって大部分が却下。
その結果、2024年5月時点においても、ニュージャージー州連邦地方裁判所では訴訟を進行していることが発覚しており、集団訴訟の原告側弁護士であるラッセル・ポール氏は、自分の訴訟の本案に依然として自信を持っていると主張しています。
ラッセル・ポール氏は、「私たちは、オーナーたちの意見を聞き、細かくコミュニケーションをとってきました、スバルは、彼らの証言を聞き、彼らの経験について熟考し、私たちは彼らの衝突データを分析したことがあるでしょう。また、発生したすべての事件のシミュレーションも作成しました。私たちは、それらが意図しない加速を明確に表現していると信じています」と説明。
おそらく、本件に対する両車の主張は平行線をたどったままになるかと思われますが、スバル・オブ・アメリカ側も、必要なデータがあれば提出し、「車両が意図せず加速」という訴訟内容に対して全面的に否定する考えを示しています。
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