遂に公取が動いた!残クレやローン、メンテパックといった「新車の不適切な販売方法」に関する注意喚起を公開。トヨタやポルシェ等の販売方法にクレームも

2024-11-19

これでユーザーが平等に購入できる未来が来ると良いのだが

ここ最近、部品供給不足や半導体不足、更には生産台数の絡みを理由に、何かと厳しい条件を付けて販売するディーラーなどが存在します。

特に2021年8月に発売されたトヨタ新型ランドクルーザー300 (Toyota New Land Cruiser 300)を始め、トヨタは主力モデルの新車・新型車を販売する場合、他にも一部のトヨタ/レクサスや日産、ホンダ、ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニ等の正規ディーラーでは、以下のような条件を設けて販売することが多くなりました。

・販売店が指定するローン会社での残クレ(残価設定)、ディーラーローン、リース(KINTO)を必須とした購入方法

・メーカーオプションやディーラーオプションを必須とする販売方法

・販売店での点検(メンテナンスパック)やコーティングを必須とする販売方法

・販売店が指定する任意保険への加入

・下取りを必須とする販売方法

・キャッシュ一括であっても、1年間は所有権を販売店が留保する

・新車登録後から1年間は、転売や輸出を禁止

・他の販売店では先着順なのに、忖度抽選での販売をしているところがある

・限定車を購入するために、他の車種を抱き合わせで購入しなければならない

・初見の顧客は購入することができない(既存顧客もしくは太客のみ等)

しかしながら、こうした「強要」ともいえる販売方法について、さすがにユーザー側も不満に感じたのか(条件という名の不当利益と不満を漏らす声も多数)、一般社団法人自動車公正取引協議会も調査に入り、遂に「新車の不適切な販売方法について 」の注意喚起資料を公開しました。


公取が公開した注意喚起資料をチェック!

早速、一般社団法人自動車公正取引協議会が2024年11月15日に公開した「新車の不適切な販売方法について」の注意喚起資料を見ていきましょう。

新車の不適切な販売方法について 【注意喚起】
-オプション等の購入が販売条件、現金販売の際の所有権留保等-

当協議会は、自動車(四輪・二輪、新車・中古車)の販売において、事業者と一般消費者との間にどのようなトラブルが発生しているのかを把握し、表示や取引の一層の適正化に資するため、予てより消費者相談窓口を設置し、苦情・相談(年間約5,500件程度)を受付け、トラブル解決のための助言を行うとともに、その発生原因や問題点を分析しています。

そうした中、最近、納車までに期間を要する等の新車について、不適切な販売が行われているという苦情相談が、消費者から寄せられています。


1. 主な苦情相談の内容(不適切な販売方法)

1) 新車購入の際、販売事業者から以下のような条件が提示され、同意しない場合は、販売することはできない、または、同意した消費者に優先して販売すると言われた。

①「オプション装備品やメンテナンスパック、コーティング等の購入」や「任意保険への加入」、「ローンによる購入」

②現金購入の場合であっても、「一年間は所有権を留保する(販売事業者名義とする)」
※なお、中古車についても、上記①、②のような苦情相談が散見される。

③下取車を入庫する。

2) 先着順の販売として注文書を交わしたが、後日、抽選販売に変更された。


2. 法令遵守及び消費者の不信を招かないための適切な販売方法

1) 販売事業者は、以下理由から、新車を販売する際に上記①~③を販売の条件としないこと。また、これに同意した消費者に優先して販売する等しないこと

①「オプション装備品やメンテナンスパック、コーティング等の購入」や「任意保険への加入」、「ローンによる購入」を強制することは、独占禁止法に違反(不公正な取引不法(抱合せ販売)に該当)するおそれがある。

②現金購入の場合、所有権は当然購入者に移るべきものであり、これを販売事業者に留保することは、いかなる理由があったとしても、権利の侵害となる。

③下取車を売却するか否か、また、売却先をどうするかは、売却益の多寡等を含め、購入者が判断することであり、販売事業者が入庫を強制すべきものではない。

2) 抽選による販売を行う場合は、事前にその旨を表示(告知)すること。また、事前に表示(告知)することなく抽選販売に変更しないこと


会員事業者におかれましては、法令遵守及び消費者の信頼確保の観点から、本インフォメーションを参考に、適切な販売を行われますよう、お願いいたします。

本件に関するお問い合わせは、一般社団法人自動車公正取引協議会 業務本部 四輪車業務部又は消費者関連部まで「TEL 03-5511-2111」

via:一般社団法人・自動車公正取引協議会

以上の内容の通りとなります。

こうした動きを見ると、SNSやYouTubeなどでも取り上げられていた独禁法に抵触するであろう販売方法について、やはり公取としては看過することはできないのだと思われますが、あとはこの注意喚起をもって、今後販売するであろう新車・新型車をどのように販売するのかが気になる所。

2ページ目:公取の注意喚起資料が公開されたことで、これまでの契約内容や誓約書の取り交わしはどうなる?