日産が大々的にPRする「新型セレナがミニバン販売台数No.1を獲得」は、反対に日産のイメージを悪くしている?今日産がやるべきこととは?

日産のことを応援しているからこそ、敢えて言わせてほしい

2024年上期決算にて、2024年度上期の営業利益が前年度上期に比べて-3,038億円減となり、更に全世界の従業員を対象に9,000人のリストラを検討している日産。

日産としては「事業の安定化と適正化、商品力の強化と収益ある成長に向けた取り組み」を発表していますが、これから日産が取り組む対策は「あくまでも目先の利益を求めた応急処置」であり、根本的な治療に取り組もうとしていない姿勢が一番の問題となっています(おそらく経営陣は諸悪の根源に気付けていない)。

つまり、日産が今変わるべきは古き経営陣と役員の総入れ替え、古き体制と経営方針の脱却による時代の変化に対応できるフレキシブル性がポイントだと考えますが、残念ながらそこまで変化することが予定されていないことを考えると、今後日産が復活することは極めて困難なのではないかと考えられます。


今の日産は、何でもかんでも「No.1」と大々的にPRすることは止めた方が良い

今現在の日産の経営方針や役員体制の見直しだけでなく、あくまでも個人的な考えに過ぎませんが、「今日産がやる必要性のないPR」が存在します。

そのPRというのが「〇〇の販売台数No.1」というプレスリリースやテレビCMでの誇大表現。

具体的に言えば、日産が2024年11月1日にプレスリリースにて公開した「2024年度上半期の国内販売で「セレナ」がミニバン販売台数No.1を獲得」という内容。

以下がそのプレスリリースの内容となりますが、文字だけを見れば「日産はミニバンで国内売上台数No.1を獲得したんだ」という捉え方にはなるものの、販売台数や順位をなどを見てみると「このPR、胸を張って発表できる内容ではないのでは?」と思うんですね。

日産自動車株式会社は、2024年11月1日、2024年度上半期(2024年4月~9月累計)の国内販売において、「セレナ」が39,637台を販売し、2023年度下半期に続き、ミニバン販売台数No.1(※)を獲得したと発表しました。

なお、e-POWER車に電動駆動4輪制御技術「e-4ORCE」を搭載したグレードは、11月14日より発売を開始します。

「セレナ」は、室内空間の広さや、デザイン性と機能性を兼ね備えた装備、さらにクルマ酔いを軽減する工夫や充実した先進技術などにより、家族との大切な時間を思い切り楽しむことが出来るミニバンとして好評を得ています。また、よりパワフルで気持ちの良い加速性能や、高い静粛性を実現しているe-POWER車も好評を得ており、今回のミニバン販売No.1につながりました。

日産は、引き続き「技術の日産」ならではの先進技術でクルマを進化させ、お客さまにワクワクを提供してまいります。

※:定員6名以上の国産車。順位は2024年4月~9月の自動車登録情報(新車新規登録情報)に基づく日産調べ

via:Nissan

以上の通りとなります。

実際の国産車販売・登録ランキングを見ていこう

先ほどのプレスリリースに対して、一般社団法人・日本自動車販売協会連合会が公開している、2024年9月度の普通乗用車・登録新車販売台数ランキングの上位20車種を見ていきましょう。


【2024年1月~9月度上半期の登録新車販売台数ランキング20】

  1. トヨタ・カローラシリーズ:77,030台
  2. トヨタ・ヤリスシリーズ:73,052台
  3. トヨタ・シエンタ:58,645台
  4. 日産・ノートシリーズ:48,339台
  5. トヨタ・ルーミー:42,891台
  6. ホンダ・フリード:40,614台
  7. 日産・セレナ:39,637台
  8. トヨタ・アルファード:38,794台
  9. ホンダ・ヴェゼル:36,251台
  10. トヨタ・ヴォクシー:35,143台
  11. トヨタ・ノア:34,240台
  12. トヨタ・ハリアー:32,477台
  13. トヨタ・アクア:32,282台
  14. ホンダ・フィット:31,556台
  15. トヨタ・クラウンシリーズ:28,776台
  16. トヨタ・プリウス:28,460台
  17. トヨタ・ランドクルーザーW:28,284台
  18. ホンダ・ステップワゴン:26,050台
  19. トヨタ・ライズ:25,828台
  20. スズキ・ソリオ:25,448台


ランキングとしては以上の通りとなります。

このランキングを見ると、たしかにセレナは全体の7位で39,637台を記録していますし、競合モデルとなるトヨタ・ノア (Toyota New Noah)で34,240台の11位ヴォクシー (New Voxy)で35,143台の10位、更にはホンダ・ステップワゴン (Honda New STEPWGN)の26,050台の18位よりも売れているように見えます。

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