日産の新型フェアレディZ (RZ34)が生産終了せずに販売継続していることは奇跡。ポンコツだけど愛嬌のあるスポーツカー…この車を守るためにも日産は変わらなければならないと思う

日産は厳しい経営状況の中でもフェアレディZ (RZ34)を販売継続してくれていることに感謝

2023年2月に私に納車されて1年9か月以上が経過した、日産のビッグマイナーチェンジ版・新型フェアレディZ (Nissan New Fairlady Z, RZ34) version ST[9速AT]。

本モデルが2022年7月に日本で販売されるも、その直後に受注停止になってしまい、約2年4か月という長い受注停止期間を経て、ようやく受注再開されていますが、上期と下期で受注を受け付ける台数に制限がある関係で、必ずしも誰もが購入できる状況ではありません。

日産も非常に厳しい経営状況にあるため、ニッチ且つ利益の生みにくいスポーツカー市場こそ、優先的に排除される恐れもあるわけですが、今もなお生産・販売終了せずに継続していることは奇跡に近いと考えています。


フェアレディZ (RZ34)のデザインは、カッコいいとカワイイが上手くミックスされている

フェアレディZ (RZ34)の魅力といえば、スポーツカー特有のスタイリングはもちろんのこと、スタイリッシュでカッコいいスポーツカーでありながらも、フロントマスクはどちらかというとカワイイということ。

いわゆる「カッコカワイイ」見た目がRZ34の一番の特徴だと思っていますが、初代S30/240Zをオマージュさせた丸目のヘッドライトに加え、大口タイプのスクエア型フロントグリルとの相性が意外にも良く、ちょっと間抜けな顔つきながらも愛嬌もあるのが良きところ。

だけどフロントボンネット内には、V37スカイライン400Rより受け継がれた排気量3.0L V型6気筒ツインターボエンジンが搭載され、最高出力405ps/最大トルク475Nmという、日本の公道ではもて余すほどのスペックを持つため、そのギャップにも惹かれてしまうんですね。

現代の国産スポーツカーはどれもアグレッシブな顔つきだが

ちなみに直近の日本製スポーツカーを並べてみるとこんな感じ。

ホンダ現行シビックタイプR (Honda New Civic Type R, FL5)や、レクサス現行IS500 F SPORT PerformanceのLEDデイライトが釣り目でアグレッシブなのに対し、RZ34はつぶらな瞳の”こ”の字型。

だけどこの愛嬌ある顔つきの奥底に秘める力強いパワーやトルクこそ「悪魔のZ」と言われる所以だと思います。

不便そうに見えて、実は乗降り性も上手く考えられているRZ34

サイドのスタイリングも、Z33から受け継がれる後輪駆動[FR]プラットフォームの改良型を採用している関係でロングノーズ・ショートデッキスタイルを維持しつつ、ファストバックのような現代的なフォルムも表現しているのもお見事。

2ドアスポーツクーペと聞くと、ドア面積が極端に大きくなって駐車場での乗降り性も悪くなるというイメージなのですが、RZ34の場合はショートホイールベースを武器にドアパネルの面積がコンパクトなため、狭い駐車場でも乗降りし易いのが魅力。

スポーツカーの見た目なのに、意外とスポーツカーとしての欠点を上手くカバーしているので、全部が全部実用的ではないことも証明されているんですね。

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