日産の新型フェアレディZ (RZ34)が生産終了せずに販売継続していることは奇跡。ポンコツだけど愛嬌のあるスポーツカー…この車を守るためにも日産は変わらなければならないと思う

(続き)日産の新型フェアレディZ (RZ34)は色々と課題の残る車だが、そこがまたイイ

引き続き、日産の新型フェアレディZ (RZ34)についてインプレッションしていきましょう。

フェアレディZ (RZ34)×9速ATはワインディングに不向き?

続いて、ワインディングでの走りについて。

RZ34は、速度域が高く低回転域で巡航するようなバイパスや高速道路においては、人を快適に運ぶスポーツカーというイメージではあるものの、ワインディングなどを走らせる際は不向きで、しかしそういった不向きさやポンコツな部分も可愛らしく思えるという不思議。

ワインディングにおいては、9速AT特有の低回転域で一気にシフトアップするプログラムが仇となり、特に上りにおいてはアクセルをある程度踏み込んでいっても、3,000rpm辺りまで回転数を引っ張ってシフトアップするため、せっかくの高いトルクを活かしきれないままモッタリ上っていくのが勿体ないところ(”M”レンジモードにせず”D”レンジモード×STANDARDモードで走らせた場合)。

反対に下り坂になると、9速ATという多段シフトの影響により、パドルシフトで”カチカチ…”とシフトダウンしても、7速 → 2速までひたすらにシフトダウンしないとエンブレが効きにくいという不便さもありますし(ダイレクト感が無いという表現が良いのだろうか…)、仮に2速までシフトダウンしたとして、その際のショックが大きくて姿勢が若干前のめりになるのも、9速AT本来の滑らかさとシームレスさを感じない不満要素でもあります。

ただ、先程もお伝えした通り、そういった不向きさとポンコツなところさえもRZ34の愛くるしい魅力なのかなぁと思ったり。


ここまでギャップあるスポーツカーを作れるのは日産ぐらいだと思う

おそらくRZ34の気になる要素や不満要素などを取り上げたらキリがないと思いますし、「これだけポンコツなら乗ってられない!」と我慢できなくなりそうなところではありますが、それでもこの車は「日産が危機的状況の中で作り上げた傑作」だと思っています。

おそらくこんなに見た目と中身でギャップのあるスポーツカーは二度と買えないかもしれないですし、何よりも排ガス規制や騒音規制でスポーツカーが販売しづらい状況で、且つ生産台数も少ないのに販売を継続してくれるところに、日産の心意気が感じられるところ。

だからこそ、今の日産の経営状況は改善に向けた取り組みはお粗末だと思いますし、経営陣を刷新して根本的な治療を行わない限り、企業再建は極めて難しいのではないかと思うんですね。

特に大企業で見られがちな縦割りの社風は、部門全体でのコミュニケーションが希薄になり、自分本位な考えに陥りやすくなるだけでなく、日産自動車という企業に誇りを持てなくなることに繋がってしまうことが最大のリスクでもありますから、一日も早くその問題に気付いてほしいところです。

1ページ目:新型フェアレディZ (RZ34)は昨今のスポーツカーで極めて稀な「カッコカワイイ」スポーツカー?

日産の新型フェアレディZ (RZ34)関連記事