売る気あるの?メルセデスベンツ新型CLAクラスEVが「800V DC急速充電しか使えない」との報道。日産の新型ローグをベースにしたインフィニティ版に新たな動きアリ?
ここまで使い勝手を悪くしたピュアEVも珍しいかもしれない
2025年3月、メルセデスベンツは新たなカテゴリーでのピュアEVモデルとなる新型CLA EVを発表しました。
このモデルは、これまでに登場してきたEQシリーズのデザインを踏襲しながらも、内装はスクリーンだらけにすることで欧州や中国市場のニーズに合わせたモデルといわれています。
ただ、デザイン性やスペック含めてユーザーからの批判の声も多いそうで、名称としてもCLA 250+ with EQ Technologyだったり、CLA 350 4MATIC with EQ Technologyと、無駄に長い上に「ピュアEV」と思いづらい名称にしていることも批判的な声が相次ぎました。
そんな新型CLAクラスについて、今回新たな問題が発生しているとして大きな話題となっています。
充電は、まさかの800V DC急速充電にしか対応していない
これは海外カーメディアWards Autoが報道した内容になりますが、新型CLAクラスでは、従来の400V DC急速充電には対応していないとのことで、更には400Vから800VへのDC/DCコンバーターも搭載されていないことから、800V DC急速充電しか利用できないことが判明したとのこと。
つまり、充電する場所が大幅に限られてしまうことになるわけですが、対応していないステーションには「50kWの公共充電器と、テスラの現在のスーパーチャージャーネットワークの大部分」が含まれるとのこと。
この制限は、メルセデスが320kWのDC急速充電機能の導入を推進した結果のようで、この急速充電により、10%から80%までの充電がわずか22分で可能になるというメリット以外は特に無し。
海外カーメディアWards Autoの説明によれば「CCSケーブルは500Aに制限されているため、200kWを超える充電速度を実現するには800ボルトが必要になる」と説明。
ヒョンデやキアといった他の大手自動車メーカーは、急速充電と幅広いサポートを実現するためにDC/DC電圧ブースターを使用しているそうで、これは高級ブランドにとって好ましいことではありませんが、消費者の充電ステーションへのアクセスを制限することで、コスト削減に努めているように映るからなんですね。
なお新型CLAクラスについて、海外カーメディアがメルセデスベンツに対し、電圧ブースターを搭載しなかった理由について説明を求めたところ「言及を避けた」と報じられ、何か不都合になるようなことがあって搭載しなかった可能性が高そう(一部ではメルセデス自身がからピュアEVの使い勝手の悪さをPRするための隠れたメッセージなのでは?との見方も?)。
Wards Autoは、新型CLAの製品情報について調査を進めたところ「400Vの充電ステーションでの充電は不可能であり、そのためナビゲーションシステムには表示されません」という免責事項が記載されている、と説明。
この問題が発売モデルに限ったものかどうかは不明ですが、同誌はノルウェー仕様車にDC/DCブースターが搭載される可能性があると報じていて、これは市場固有のアプローチを示唆していますが、顧客は当面は購入を控えることが考えられるかもしれませんね。