ホンダ ZR-Vは「値上げ」ばかりで魅力を失い購入しづらいモデルに?本来改良すべきポイントも多いが、ホンダはそれを見て見ぬフリをしている?

今回の一部改良で更に購入しづらくなったZR-V

2025年5月19日、ホンダのDセグメントSUVとなるZR-Vが一部改良版として新たに発表されたことをお伝えしました。

改良内容としては、ボディカラーとして使用している塗料の機能性と質感向上、そして耐久性が従来型よりも1.5倍向上しているとのことで、ここに材料費+物流費が高騰したことで、車両本体価格が約7.6万円も値上げしたわけですが、実は今回の値上げは実質的に3回目となります。

元々は2023年モデルとして発売されたZR-Vですが、内外装のデザインや機能性が大幅に改良・変更されることもなければ、マイナーチェンジ相当のアップデートもされることなく、結果的に2023年モデルから2026年モデルまでに全グレード335,500円も値上げしているんですね。

こうした「値上げをメイン」とした改定ばかりが行われると、ZR-Vもますます売れなくなってしまうのでは?と懸念しています。


2026年モデルは、マイナーチェンジ相当の改良があるべきだったと思う

元々ZR-V e:HEV Zグレード[4WD]を所有していた元オーナーとしては、今回のZR-Vは「塗装の耐久度が向上した」ことはとても魅力的なことだと思うのですが、反対に「今まで塗装面の不具合に気付くことなく、なぁなぁで過ごしてきたのだろうか?」という見方もできるわけですが、なぜ塗料の耐久性を向上させるタイミングがシビックRSからだったのかは疑問(何かきっかけがあったのだろうか?)。

そして、今回の2026年モデルでは「塗料の耐久性向上」以外にも、もっとやるべき改良があったのではないか?とも思うんですね。

商品力としては十分に高いZR-Vですが、中国市場向けとして販売されているモデルはムーンルーフが装着されていますし、一方でアメリカ向けとして販売されているHR-V(日本名:ZR-V)は、ディスプレイオーディオを7インチ → 9インチに拡大し、ボディカラーもシビックタイプR (Honda CIvic Type R, FL5)に採用されるレーシングブルーパールを採用するなど、目に見えてわかる改良が入っています。

その点日本向けは、塗料の耐久性向上は「買ってから中長期的に見ていかないとわからない変化」ですし、「買う前から目に見えて分かる変化」ではないので、この点が食指が動かないポイントだと思っています。

続いて、「買う前から目に見えて分かる変化」といえば、やはり内外装を変更するレベルのマイナーチェンジが無かったということ。

日本向けのフロントグリルは縦型基調のグリルパターンを採用していますが、アメリカ向けのようにハニカム形状のようなグリルパターンに変更したり、もしくはフロントバンパー含めて顔つきを変更するなどの刷新があっても良かったと思うんですね。

ZR-Vのフロントマスクは賛否が大きく分かれるデザインでもあるため、人によっては中々受け入れがたいと感じる方もいらっしゃるでしょうから、ホンダとしてもこれまでのイメージを覆すほどの変化を与えても良かったと考えています。

Honda SENSINGも全く改善・アップデートの兆しが見えない

続いては予防安全装備Honda SENSING。

2026年モデルが正式発表される前、受注停止の段階で「アコード e:HEVと同じHonda SENSING 360が追加されるのでは?」とも噂されましたが、結果的にはHonda SENSING自体アップデートされることはありませんでした。

特にシビアな警告及び振動でドライバーにストレスを与えるレーンキープアシストシステム[LKAS]や、前方車両との車間調整や速度調整が不自然なアダプティブクルーズコントロール[ACC]、そして対向車からやたらパッシングされることの多かったアダプティブドライビングビーム[ADB]など、これらのドライビングサポートは「まだまだ改善が必要」と、当ブログでも口酸っぱく指摘してきました。

しかしながら、ZR-Vの登場以降も、現行N-BOXや新型フリード (New FREED)でも、LKASとACCの不自然な精度は変らなかったですし、フリードのADBも対向車からパッシングされることも多かったですから、「ホンダとしては全く問題と捉えていない」「不自然なサポートになっていることを把握していない?」のだと勝手に考えていて、今後もドライビングサポート技術がアップデートされる可能性は低いのかもしれません。

2ページ目:ZR-Vの内装も、本来はもっと改善すべきポイントが多い?