ホンダ新型WR-Vが車系YouTuberによって批判されているらしい。「耳たぶミラー」や「ボンネット構造」等、高価格モデル用の装備に関する不満がほとんどか
購入ガイドとして見たら勉強にはなるものもあるが、背景や理由を知らずしての批判や不満はちょっと違う気も?
2024年4月に私に納車されて1年1か月以上が経過した、ホンダのBセグメントSUVモデルとなる新型WR-V Z+グレード[2WD]。
本モデルの走行距離も7,500kmを突破し、普段の街乗りやちょっとした中距離移動、荷物を載せての移動には重宝しています。
そんなWR-Vですが、一部の車系YouTuberの内外装&試乗インプレッションにて、やたら批判・不満の声が多いように感じられたため、「本当にその批判・不満はユーザー目線なのか?」「なぜ、その機能を採用しないのか?」等を考えてみたいと思います。
やたら耳たぶミラーに対して批判的な意見が多いが…
まずは、アウターサイドミラーの下部に設けられたサイドアンダーミラーについて。
これは別名「耳たぶミラー」と呼ばれるもので、ここ最近だと車系YouTuberを中心に「デザインが酷い」「廃除してほしい装備」とやたら批判されることが多め。
ちなみにこの装備、実は「運転席に座ったときに、車両前面及び左側面(左ハンドル車の場合は右側面)に接する高さ1m、直径0.3mの円柱(6歳児ぐらいを想定)を確認できる」ことを前提に保安基準が設けられています。
つまり、「直前直左視界基準」を満たす必要があるために、子供を巻き込む事故の防止を目的としているわけですが、そういった保安基準や情報を発信することなく「デザインが酷い」「廃除してほしい」と感情的な意見だけが先行されているのは極めて残念。
耳たぶミラーが「購入しない理由の候補」に挙がるとは考えづらい
確かに見た目の好みはあると思いますし、特にSUVやミニバンといった車高が背高いタイプだと装備されるケースが高いため(なかには保安基準をクリアするよう設計され、耳たぶミラーが装着されていないモデルもある)、SUVやミニバンが売れている昨今、耳たぶミラーの不満を持つユーザーも少なからず存在するでしょうが、「なぜ耳たぶミラーを装着する必要があるのか?」は知っておく必要があると思いますし、だからといって耳たぶミラーが「購入しない理由の候補」に挙がるとも思えないため、単なる好みの問題なのかもしれませんね。
WR-Vのフロントボンネットはダンパーではなくステー式
続いて、こちらもなぜか批判・不満の対象として挙げられているフロントボンネットステー。
いわゆるボンネットを開けて固定する際の構造で、WR-Vのようにステー(つっかえ棒)による固定式があれば、高価格帯のモデルにて採用される可能性の高いダンパー式もあります。
ちなみにWR-Vの場合は、コストを抑えたモデルというコンセプトがあるために、ダンパー式ではなくステー式を採用しているのですが、これもなぜかYouTubeでは不満の対象に挙げられていましたね。
ちなみに、ダンパー式ではなくステー式を採用する背景には、先程の通り「コスト低減」が挙げられ、ダンパー式の場合だと経年劣化で内部のガスが抜けてしまい、交換が必要になることも。
しかしステー式になると、消耗品ではなく交換の必要性がないため、後々のメンテナンス費用を削減できるという大きなメリットがあります(長期的に所有することを想定)。
つまり、コストアップすることに何の抵抗もなければダンパー式を採用することは可能だと思いますが、そうなるとWR-V本来のコンセプトから逸脱することになるため、こちらの批判もある意味ではお門違いなのかもしれません。
ボンネットにダンパーを採用しないのは、コスト以外にも様々な理由・事情もある
ちなみに、ボンネットにダンパー式が採用されない理由には、前述のようにコスト低減もありますが、この他にも「重量問題」や「エンジンルーム内の環境」「衝撃吸収構造」「開閉時の負担」といった様々な理由があり、これらの理由を鑑みてトヨタ・クラウンクロスオーバー (Toyota New Crown Crossover)では、ダンパー式ではなくステー式が採用されているようです。