フルモデルチェンジ版・ホンダ新型フリードが発売&納車されて1年が経過!総じて「丁度良い車」だと思うが、競合シエンタの存在がある限り解決すべき課題が多すぎる件
実は発売日と同時に納車されていた私の新型フリード
2024年6月28日に発売され、発売日と同時に納車された私のホンダ新型フリード e:HEV クロスター (Honda New FREED e:HEV CROSSTAR, GT6)・3列6人乗り[2WD]。
早いもので、私のフリードも納車されて1年が経過したわけですが、走行距離も順調に距離を伸ばして20,000kmを突破。
ほぼ毎日普段使いとして活用し、ほぼ毎月ペースで往復500km程度の長距離移動用として活用していたので、「1週間近くエンジンをかけずに放置していた」ということは全く無し。
それだけ使い勝手も良く、ボディサイズや燃費、荷物の積載性、子供の習い事の送迎など、幅広く活用できるという点で「丁度良い車」だと評価しているので、改めて購入して良かった車だと思っています。
今回は、そんなフリードが納車されて1年経過しての雑感に加え、ちょうど総走行距離20,000kmを迎えたタイミングでの往復450km程度の長距離移動での燃費性能がどの程度なのかチェックしていきましょう。
コンセプト通り「丁度良い車」ではあるが、価格帯を考えると「丁度良くない」
改めて、私のフリードが納車されて1年経過しての雑感をまとめていきたいと思います。
以下の通り、総じてフリードのコンセプトにある通り「丁度良い車」だと思う一方で、やはり車の完成度と価格帯を考えると「丁度良くない」と思うのが正直なところですし、この車に総額約420万円支払う価値があるか?と言われると、個人的には「それだけの価値は感じなかった」というのが本音。
[フリードの良い点]
●3ナンバーながらも全幅は1,720mmなので、狭い道でもスイスイ走れる
●見晴らしも取り回しも良いので、何度もハンドルを切り返すようなシーンは特に無し
●エントリーコンパクトミニバンでブラインドスポットインフォメーション[BSI]が搭載されているのは便利で、高速道路を頻繁的に使う身としては(事故防止の観点からも)とても助かる
●シートホールドも高く、乗り心地も少しカタメなので、長距離移動でも疲れにくい
●3列6人乗りなので、2列目キャプテンシートは子供からの評判も高い(3列目は狭いのでエマージェンシー感覚で考えている)
●予約ロックや降車時オートロックなど、雨の日に車から降りるときのキーロックがスムーズ
●フロントにドリンクホルダーが3か所設けられているのは地味に嬉しい
●夏場のリアエアコンは後席に座る人からすれば快適そのもの
[フリードの悪い点]
▲普段の街乗りや国道の大通り、バイパス、高速道路において1.5L+e:HEVは特に不満は無いが、アクセルを踏み込んだときのエンジンの唸りは大きく感じる程度
▲ステアリング操作をアシストしてくれるアジャイルハンドリングアシストは、特にアシストの必要ないシーンでも機能として発揮されるため(ステアリング操作がカタく感じる)、ストレスに感じることもある
▲アダプティブクルーズコントロール[ACC]の前車との追従性は決してナチュラルではなく、ときには前車がいなくとも予期せぬタイミングでブレーキランプを点灯させて強い減速が発生する「ファントムブレーキ」が起きるため、まだまだ課題を感じる
▲11.4インチナビのデフォルトの音質はかなり籠っているので、イコライザ設定しないと満足できる音質は得られない可能性も
▲11.4インチのポンコツナビ+ドラレコ3カメラのセットディーラーオプションで約40万円は高過ぎる(約40万円の価値や性能を全く感じていない)
▲メーター上平均燃費と満タン法による実燃費との乖離が「2km/L以上」になることが多い
▲フロントUSBポートが1か所のみなのは不便(しかも入力用でUSB Type-A)
▲総額約420万円の車であれば、ステアリングヒーターは欲しかった
以上の通りとなります。
シエンタに無い電動パーキングブレーキ+オートブレーキホールド機能を備えているフリードだったが…
この車の優位性を感じるポイントの一つとして、電動パーキングブレーキ[EPB]+オートブレーキホールド[ABH]機能が備わっていて、オートブレーキホールド機能は自己復帰(メモリー)式が採用されているところが挙げられます。
このEPB+ABHこそが、競合モデルとなるトヨタ現行シエンタ (Toyota New Sienta)に無い機能なので、ある意味でフリードを高く評価していた部分でもあるのですが、この装備が加味された上での総額約420万円は決して「価格に見合った内容ではない」と思っていて、純粋にエントリーコンパクトミニバンに支払える金額ではないと思ったのが正直な感想です。
しかも、2025年8月1日にはシエンタが一部改良版として発売され、おまけにEPB+ABHが全車標準装備されるだけでなく、トヨタ初となるAHBのメモリー式が採用されて+10万円程度の値上げに留まるので(おまけにスタリングヒーターも備わっている)、シエンタにこの機能が備わってしまうと「フリードの優位性が失われてしまう」わけですね。
もちろん、フリードにはシエンタに備わっていないエバポレーター付きのリアクーラーが搭載されているため、これによって夏場のエアコンの効き目・冷気は、シエンタの天井サーキュレーターとは大違いなので、ある意味で優位性はあるところ。
ただし、先ほどの通りを価格差を埋めるだけの優位性を持っているかどうか?と言われると難しいところなんですよね…
そう考えると、ホンダが解決すべき課題点が多すぎるため、このままだと更にシエンタに突き放されてしまうのは目に見えているわけですから、商品改良に伴う値上げではなく、実質的な値下げによる「価格バランスの重要性」に重きを置かない無い限りは、今後の販売台数増加は極めて難しいのではないかと考えています。