三菱3000GT (GTO)の事故で驚愕の1,500億円賠償請求! 原因はまさかの「車高の低さ」。スポーツカーが絶滅しかねない「理不尽な訴訟」の行方

(続き)三菱3000GT/GTOの約1,580億円をかけた訴訟問題について

引き続き、三菱3000GT/GTOの事故に関する訴訟問題について見ていきましょう。

この賠償額の内訳はどうなっている?

ちなみに、先ほどの約10億ドルに関する内訳を見てきましょう。

この金額には1億5,600万ドルを超える補償的損害賠償が含まれており、その他の内訳としては以下の通り。

●過去の医療費92万5,477ドル

●将来のケア費用1,250万ドル

●収入能力の喪失220万ドル

●過去の非経済的損害2,000万ドル

●長期的な苦痛に対する1億2,000万ドル

上記の内容に加え、更に裁判所の文書によると、陪審は三菱に対して、懲罰的損害賠償として8億ドルを命じました。


事態は急転!裁判所は「証拠が不十分!三菱は再審に値する」

立場的にもかなり厳しくなっている三菱ですが、この訴訟問題を追っている海外カーメディアCarComplaintsが、2025年12月初め、アメリカ・ペンシルベニア州控訴裁判所の新たな判決を報道。

その内容というのが、何と裁判所は今回の判決を破棄し、「三菱自動車は再審を受けるに値する」と述べ、陪審員への指示が不適切であったと認定したんですね。

この決定を覆したペンシルベニア州上級裁判所の判決文は、以下の通りとなっています。

衝突安全性訴訟において、事実認定者は、原告がより安全な代替設計であれば防げたであろう損害、そして最終的に主張された設計上の欠陥によって引き起こされた賠償対象となる損害を具体的に特定する責任を負ったかどうかを検討する必要がある。

陪審員に対し、これらの証拠をどのように検討すべきかを正確に指示する陪審員指示書がなかったため、裁判所は「[陪審員]に法律上の論点を教育」し、「提示された証拠に裁判所の指示書を適用して事件を判断する」方法を示さなかった。

上記の通り判決が覆され、事件が再審に差し戻されたとはいえ、法廷闘争はまだ終わっていません。

遺族は訴訟を再度提起し、長期にわたる費用のかかる訴訟手続きを再び進めなければならない可能性が高いですが、精神的にも経済的にも負担が大きくなるため、ここまで来ると資金を多く持つ大企業側が有利に。

車高の低いクーペが「危険」とみなされるのであれば、今後2ドアスポーツクーペは販売しづらくなる?

なお今回の問題は、三菱だけに限った話ではなく、2022年にも似たような裁判がありました。

それは、「ルーフ潰れの原因が、設計と材料の欠陥によるものだ」という主張に対し、陪審員は、フォードに約17億ドルの支払いを命じました。

フォードは2025年にも、2015年型となるスーパーデューティ・トラックの横転事故で同様の25億ドルの判決を受けています。

17億ドルの賠償金は後に棄却され、フォードは現在25億ドルの判決を不服として控訴していますが、三菱はこの件で再び法廷に立つと予想されるが、すでに8年が経過しているため、すぐに解決するとは思えず、まだまだ長丁場となりそう。

この判決が確定すれば、業界に広範囲にわたる影響を及ぼす可能性があり、車両のルーフ高さが低いことが衝突事故の負傷原因とされた場合、それがどこまで広がるかは不透明。

もしも「ルーフの低さが事故に大きく影響する」のであれば、自動車メーカーは今後、ドライバーの身長を理由に販売を拒否しなければならないのでしょうか?

現在販売されている2ドアスポーツクーペはもちろんのこと、フェラーリやランボルギーニなどのスーパーカーメーカーも致命的な問題に発展するのではないか?といったことも考えられます。

何れにしても、スポーツカーの肩身がどんどん狭くなるような案件ですし、排ガス規制や騒音規制以外のところでの新たな問題に発展することにより、スポーツカーが「スポーツカーでなくなる」ことだけは避けてほしいところですね。

1ページ目:三菱3000GT/GTOによる事故の影響が、「車高が低い」ことを理由に一般ユーザーが三菱を訴える!

三菱関連記事