国産SUVワースト3に選ばれたトヨタ「C-HR」/日産「ジューク」/ホンダ「ヴェゼル」の酷評内容を見て欲しい。そもそもプラットフォームから間違っていた件

2020-05-27

~なぜワースト3に選ばれたモデルたちが、とことんまで否定されているのか?~

ビジネスマン向けニュースサイト「Business Journal(ビジネス・ジャーナル)」にて、清談社の沼澤典史  氏が作成した「国産SUVワースト3…日産「ジューク」とホンダ「ヴェゼル」は買ってはいけない?」が大きな話題に。

今回同氏がとり上げた内容は、自動車に詳しいライターの呉尾律波 氏が選定した国産SUVワースト3の内容を補足したものになっていますが、そのほとんどが国産SUVを大きく批判するもので、中々に見えるに堪えないものに。

以下の通り、まずは「国産SUVなんか買うな!欧州メーカのSUVを買え!」と言わんばかりの記載内容となっていますが、一体何を基準に国産SUVの性能面が期待できないのかが気になるところ。

「コンパクトカーをベースにしたサイズの小さい国産SUVは”なんちゃってSUV”の可能性が高く、性能面では期待できません。走りを無視したくないのであれば、海外メーカのクルマをおすすめします。ランドローバーの『レンジローバー』シリーズや、シボレーといった欧米ブランドの中型から大型のSUVですね。」


~国産SUVは間違いなく進化し、欧米モデルの技術に少しずつ近づいている~

近年の国産SUVモデルは、これまで私が試乗させていただいたモデルを見る限り、少しずつ欧米ブランドの性能に近づいてきていますし、それ以上に高い品質とコストパフォーマンスを持っていると考えています。

確かにジャガーやランドローバー、アウディ、BMWといったSUVモデルの走行性能は高いとは思いますが、価格とパフォーマンスとの兼ね合いを見てみると国産SUVと良い勝負をしていることは確か。

「Business Journal」では、国産SUVのワースト3として、3位にトヨタ「C-HR」、2位にホンダ「ヴェゼル」、そして1位に日産「ジューク」をピックアップしていますが、その中でも1位の「ジューク」の叩き具合は結構なもの。

内容は以下の通りとなっています。

「こちらもコンパクトカーの『ノート』がベースです。ヴェゼルにも同じことが言えますが、コンパクトカーのエンジンとシャシーを流用して足回りだけ強化しても、走りが良くなるはずがありません。特にジュークは室内がコンパクトカーそのもの。他のメーカーのSUVと比べても一番安っぽい内装です」

まず一発目から大きく間違っているのが、「ジューク」は「ノート」がベースでもなければ、プラットフォームも共有されていないということ。

「ジューク」には、BセグメントFF車用として採用のBプラットフォームを使用しており、「ノート」はAセグメント・BセグメントFF車用のVプラットフォームを使用しています。

同じコンパクトモデルではあっても、スタイルベースや車内の居住性はもちろん、足周りも結構異なっています。

「足周りだけ強化しても、走りがよくなるはずがない」と断言していますが、オンロードからオフロードまでの幅広い道を走行し、比較した上での説明なのかが気になるところですね。

~「ジューク」は中々に優秀な個体だと思う~

実際に「ジューク」と「ノート」を試乗した私から言わせてもらうと、「ジューク」はマイルドな乗り心地ではあるものの、際どいコーナリングでもしっかりと曲がりますし、ゴツゴツした道の上でも剛性が高い分安定した乗り心地を提供しています。

元々は都会派スタイルのSUVでもあるので、小回りはもちろんのこと、立体駐車場に問題なく入ることを考えて設計していることもあるので、それを承知で購入しているオーナーさんも多いわけですから、一概に「ジュークを買うな!」というのはさすがに一方的(っというかオフロードを重要視するならそれに見合った四駆を既に購入している思う…)。

「ノート」もコンパクトなスタイリングでありながらも、ホイールベースは「ジューク」よりも長く、車高も低いことからより安定した走行性能を発揮します。

車内も大人4人が乗れるだけのスペースは確保できていますし、若干窮屈に感じる部分はあるかもしれませんが、それ以上に走りの満足度はお墨付きで、2018年の年間販売台数は136,324台とコンパクトカー部門ではダントツの1位でした。

こういった点も踏まえて、自動車ジャーナリストの呉尾律波 氏や今回の記事を作成した沼澤典史 氏は、本当にワースト3に選ばれたモデルたちをとことんまで試乗したことがあるのか(そもそも試乗したのか?)、欧米モデルのSUVとしっかりと比較をしたのか、データや情報をしっかりと収集できているのかを疑ってしまうほど。

ただ批判するだけなら誰でもできることですが、しっかりと他車と比較したうえで何が劣っているのか、その反面で強みとなるポイントは何があるのかを記載することも大事では?と考えたりしますね。

Reference:BusinessJournal