フェラーリ812スーパーファストを見てきた!その美しさとボディの薄さは一級品だが、雨の日でも抵抗なく乗るオーナーの許容の広さと姿に感動
まさか…たまたま仕事で向かった先で812スーパーファストに遭遇するとは
さて、ひょんなきっかけで県外ナンバーのフェラーリ812スーパーファスト(Ferrari 812 Superfast)に遭遇。
お盆とは言え、平日の夜に(しかも大雨!)812スーパーファストを拝見できる機会など無いため、全く面識のないオーナー様にご挨拶させていただき、特別に撮影・取材させていただきました。
実はこのモデル、2020年7月頭に納車されたばかりとのことで、ボディカラーはホワイト系(多分ビアンコ・イタリア)で、内装はレッドにホワイトのセンターストライプが入ったレザー&アルカンターラのバイマテラルスポーツシートが設定された定番仕様。
しかもステアリングは右側とのことで、こういったところにオーナー様の隠れた拘りが垣間見えます(確か日本に右ハンドルは4台ぐらいしか存在しないと記憶)。
812スーパーファストは現代のラインナップモデルで最もF1技術と要素を盛り込んでいる
改めてフェラーリ812スーパーファストをチェックしていきましょう。
あいにく天気は大雨だったのであまり撮影はできていませんが、そのスタイリングやエアロダイナミクスはランボルギーニやマクラーレンではとてもマネできないほどにF1要素を取り込んでいることがわかるほど。
特に”ガバッ”とワイドに大口化したフロントグリルは非常に肉薄で、それらを取り巻くフロントバンパーのパネルの厚みもペラペラに薄いので、こういったところに軽量化だけでなくF1マシンの”薄さ”の要素が含まれているのも812スーパーファストの大きな特徴でもあります。
しかもフェラーリのユニークなポイントとして、フロントグリルのど真ん中に跳ね馬(プランシングホース)のバッジを貼付する辺り、日本のナンバープレート事情などを一切考えない設計になっていて、しかしこういった各国の事情を一切考えずにデザインと技術を最優先するフェラーリは、まさに「フェラーリらしい個性」だと思います。
薄さだけが全てではなく、空気の流れを考えつくしたパネル形状も特徴的
画像はかなり見にくいかと思いますが、ボディパネルの形状もとにかく複雑で、フロント・リヤフェンダー付近に特徴的なダクトを設けているものの、「ここからこういう風に空気が流れていく」のがわかるほどにナチュラル。
そしてフロントには大排気量6.5L V型12気筒自然吸気エンジンを搭載し、最高出力800psというとんでもないパワーを発揮しながら、それらのパワーを後輪(つまりはFR)だけで駆動するという過激なところもフェラーリらしいところ。
ただ、こういったパワーや技術よりも、こういった大雨の日に何の躊躇もなくサラっと乗ってしまうオーナー様も素晴らしくカッコイイところだと思います。
リヤデザインは、フロントの伸びやかなデザインとは異なりスパッと切ったような断面を採用する辺りは、ロングノーズ&ショートデッキの一番の持ち味だと思います。
リヤロアバンパー部分はカーボンではなく、シンプルなブラックパーツを採用していますが、この辺りはオプション次第で更に軽量化できるというフェラーリの余裕の表れで、カスタムの幅広さを許容してくれる部分でもありますね。
なぜ数ある中から812スーパーファストを購入したのか?
ちなみに今回このモデルを所有するオーナー様に取材してみたところ、812スーパーファストを購入した理由は「単純に速いから」。
このほかにもF8トリブートやローマも候補に挙げられていたそうで、納期の面やパワー、その他にもいろいろな要素が重なって結果的に812スーパーファストに行き着いたとのことですが、最もF1直系で”最後のV12NA”を搭載するクーペというブランドを持つ一台ですから、これを選んだオーナー様のセンスは流石の一言だと思います。
今回お忙しい中、しかも大雨の中で突然の取材にご対応いただけたオーナー様には心より感謝です。