マクラーレンCEOが「パワーレース」から「ウェイトレース」に切替えへ。今後は軽量化がキーポイントに
”パワー”よりも”軽量化”が命になる時代に
マクラーレンCEOのマイク・フレウィット氏が、先日開催のSMMTサミットにて、馬力を活かした伝統的な”パワーレース”よりも、車体重量や効率を重視した「ウェイトレース」に注力していくことを示唆しました。
近年では、4ドアセダンやSUVモデルでもエンジン出力600hpを超えるモデルが多数存在していますし、コンポーネントの度重なる改良により軽量化も施されています。
その一方で、ブガッティ「シロン」のように「ヴェイロン」よりも155kg重い1,995kgの車体重量となるも、その分飛躍的にアップしたパワーで加速性能を向上させるケースもありますが、これではより厳しい排出規制をクリアすることはできないと同氏も懸念しています。
マクラーレンは既に軽量化に努めている
同氏は、将来のパワートレイン開発と軽量材料の巧妙な使用との相乗効果を発揮し、大幅な軽量化に加えて馬力の必要性を極力減らすために政府と協力しながら作業すべきであると説明。
特にマクラーレンのような小規模の製造業者によって開発された技術は、最終的に業界と経済のメインストリームに恩恵をもたらすことになると考えていて、今年の後半にイギリス・シェフィールドに新しいコンポジッド技術センターを開発し、軽量で強力なカーボンファイバ製タブをモデル化する新しい方法を模索する予定となっています。
なおマクラーレンCEOは、「SMMTサミットにて、イギリスがますます厳しい環境目標を達成するのに役立つ新しい自動車重量コンペの最前線にいる素晴らしい機会を得ている。軽量化に成功するためには、産業界と政府が密接に協力して、部門とイギリス全体、更に効率性を高める車両所有者にとって利益を確実に活かす必要があることは明らか。彼らが期待する運転特性を提供する製品を作ることが我々の役目だ」と語っています。
ハイブリッドは時として「もろ刃の剣」に
マクラーレンと同じテーブルに立つランボルギーニは、今後ハイブリッドモデルを展開する予定で、エンジン出力も更にアップしますが、その一方で車体重量もアップ(エンジンに加えてモータも搭載ですから…)することは確実でしょう。
パワーウェイトレシオ比で考えたら、車体重量が増加してしまうと、その分加速性能に大きな弊害が加わると思われますが、この辺りの改善をどのように行っていくのかも大きな課題だと思います。
マクラーレンは、今後の製品展開においてハイブリッドモデルも提供することを明らかにしていますが、それがプラグインハイブリッドなのか、従来ハイブリッドなのか、はたまたマイルドハイブリッドなのかは不明ですが、確実に現行モデルよりも軽量化に務めた一台に仕上げてくるでしょうね。
☆★☆マクラーレン関連記事5選はコチラ!☆★☆
・マクラーレン「P1」は当初ノンハイブリッドの予定だった?”軽量化”と”パワー”のジレンマに悩まされていた模様(2018/5/16投稿)
・マクラーレン・ボス「次のハイブリッドモデルでは新たなプラットフォーム、ダウンサイジング化を検討する」(2018/2/7投稿)
・マクラーレンのEVモデルは2023年から?2022年には半数のラインナップがハイブリッドモデルに(2017/5/21投稿)
・マクラーレンは、今後5年間で14種類の新モデルを発表予定。V6ハイブリッドも登場へ?(2017/4/22投稿)
・マクラーレンは2022年までに半数以上がハイブリッド又はEVモデル。それ以降は4シーターGTが登場?(2017/4/21投稿)
Reference:CARSCOOPS