ブガッティ「シロン」はただの直線番長じゃない!「シロン」を熟知した専属テストドライバがサーキットにて驚きのパフォーマンスを披露

2020-05-27

~「シロン」は単なる直線番長なのか?~

世界限定500台のみ販売し、既に400台のオーダーが入り、残り100台の生産枠となったブガッティ「シロン」。
このモデルのハイパフォーマンス仕様として「シロン・スポーツ」がラインナップされていますが、こういったモデルを購入するためには、ブガッティ独自の審査基準(年収や社会貢献度等)をクリアしない限り購入することができないようになっています。

車両本体価格も3億円以上とぶっ飛んだ設定値となっていますが、それに見合うだけのパフォーマンスとパワーを持つ一台となっていて、しかし車体重量は約1,900kgと非常に重く、サーキットでのコーナリング性能が上手く発揮されていないとのことから、世間では「直線番長」と呼ばれているとのこと。


~ブガッティ専属ドライバだからこそ説得力ある「シロン」の魅力とパフォーマンスを引き立てる~

ブガッティ「シロン/シロン・スポーツ」は、「ヴェイロン」の技術を引き継ぐ排気量8.0L W型16気筒クワッドターボエンジンを搭載し、最高出力1,500ps/最大トルク1,600Nmを発揮。

ハイパフォーマンス仕様の「シロン・スポーツ」では、より堅めのスポーツサスペンションや改良されたステアリングホイール、洗練されたリヤアクスルディファレンシャル、そしてダイナミックトルクベクタリングが装備されていますが、こうしたパフォーマンスを持ってしても、コーナリング特性にて特化しているという事実が展開されることはほとんどなく、「本当にパフォーマンスを発揮することってできるの?」という疑問の声が多く持たれています。

こうしたウワサ等を払しょくするため、某ドライバがこれらのモデルをフランス南部にあるポール・リカール(Paul Ricard)サーキットに持ち込み、周回約40kmのサーキットにて、コーナリング性能の実証が行われました。

今回性能の実証を行うのは、Pierre-Henri Raphanel氏と呼ばれるドライバで、プロレーシングドライバの経験を持ち、F1やル・マン24時間耐久レースにて数々の功績を残してきた人物でもあります。
そんな彼は、長年ブガッティの専属テストドライバとして勤め、2010年には「ヴェイロン・スーパースポーツ」を用いて世界最高速となる431.072kmを記録した張本人でもあります。

彼の説明によれば、「シロン」の車体重量の重さの多くはエンジンとその補強材にあると説明していて、この重さをカバーできるだけのパワーに加え、最高のグリップ走行を提供する「シロン」専用タイヤ(1本当たり約300万円)、強烈なダウンフォースを発生する格納式リヤウィング、フロントエンドには高い冷却性と大量の空気を吸い込む馬蹄型グリル等、一つ一つがただデザイン性を重視したものではなく、速く走るために設計された技術の結晶である説明しています。

~パフォーマンスの証明に必須の動画はナゼか公開されず~

ただ残念なことに、今回の検証においては動画ではなく画像のみの提供となっていて、なぜ走行中の動画が公開されていないのか、そして周回のラップタイムが公開されていないのかは謎。

「シロン」は、競合モデルになるであろうメルセデスベンツ「AMG One」やマクラーレン「スピードテール」、アストンマーティン「ヴァルキリー」には一切引けを取らない加速力とコーナーでの進入スピードを持つとのことで、Pierre-Henri Raphanel氏の中では、「シロン」の技術の奥深さは間違いなくトップクラスにあるとして、そんじょそこらのスーパースポーツとでは比較にならないと考えているようです。

個人的には、こうしたコーナリングやパフォーマンスの高さの証明は、最も説得力のある動画にて証明してほしかったのが正直なところですが、もしかしたら動画では語れない何かがあるのかもしれず、それはブガッティオーナーにしかわからないことが隠されているのかもしれません。

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Reference:CARSCOOPS