【これどうなったの?】SNSにて話題になった日産V37スカイラインのエアコン温度問題→エアコン改善取組みの確約をするも、改善対策などの動きは見られない?
SNSにて大きな話題となり、最終的にメーカーが謝罪→改善取組み確約するまでに至ったV37スカイラインのエアコン問題
恐らく多くの方が覚えているであろう2020年9月頃にSNSにて大きな話題となった、日産V37スカイライン 200GT-tタイプSP (インフィニティQ50S)のエアコン温度差問題について(掲載元はコチラ)。
この問題は、鹿児島県在住のオーナーが所有するV37スカイライン(Vモーショングリルを得る前のモデル)にて、暖房に設定しても助手席側の吹き出し口から冷風が出続けるというもので、過去3度にわたり日産ディーラーにて修理を行った結果、運転席と助手席で温度差が10度も違う→助手席から冷風しか出て来ないという問題が2020年春頃に発覚したというもの。
厳密には、暖房というよりも高温設定にしたはずのエアコンが、運転席と助手席で異なるというもので、左右独立にて温度設定しているわけでもなく、シンクロした状態にて温度設定をしても助手側のみ冷風しか出てこなったという内容です。
左右同じ温度設定で10度差は確かに問題だが、これを「仕様」と謳ってしまうことも問題
ちなみにV37スカイラインのエアコンは、左右独立で温度設定が可能となっていますが、過去に掲載された彼のブログでは、それを認識していること前提で記載しており、左右の温度を同じに設定した状態にて暖房を入れたところ、「運転席と助手席では、助手席の方が設定値に対して10度も低い」という結果に。
冬場の寒いときに30度設定しているにも関わらず、助手席側からは20度の冷風が出てくるというのはおかしな話ではありますが(具体的に運転席が何度で、助手席が何度か?という記載までは無しで、10度差という情報のみが掲載)、こうした温度差に対して日産側は「故障ではなく仕様である」と回答したとのこと。
この回答に関して、V37スカイラインのオーナーは納得することなく、日産の内田誠 社長に直接文書にて質問することにしたとのことですが、この文書のやりとりは5か月間と長きに渡り、合計3回行われ、それだけ日産側も回答するのにかなりの時間を要したのではないかと予想されます。
「故障ではなく仕様である」という回答文書も拡散され、日産には批判が殺到する事態に
先述にもある通り、最終的な落としどころとして日産側は「故障ではなく仕様」と回答したわけですが、この資料がSNSを通して公開されたことにより瞬く間に拡散され、「日産の管理体制は杜撰」「日産は日本だけでなく人をも軽視するのか」「ユーザーは車を買ったらそれで終わりなのか?」「もう二度と日産のクルマは変わらない」といった日産に対する批判的なコメントが殺到。
もちろん、こうした手紙のやり取り以外にも、日産ディーラーとの詳細なやり取りがあったわけで、その経緯については一部詳しく記載されていないところはあるものの、最終的に日産側に問題があったという落としどころに。
SNSでの異常な拡散により、事の重大さに気付いた日産は、すぐにV37スカイラインオーナーに謝罪
もちろん、この話はこのままで終わるわけもなく、SNSで大々的に拡散されたことにより、どうやらインフィニティ(日産)V37スカイラインオーナーに対し、「日産関係者の方」や「株主」「日産サプライヤー」の方々からメッセージが来るなどで大事となり、最終的には日産お客様相談室から直々に「直接会って説明させて頂きたい」という電話があったそうです。
これにより、日産は正式に10度の温度差を”仕様”と断言してしまったことへの謝罪(モード設定に関する検証が足りなかったことが判明し、モード設定の問題により左右で10度差が生じていた)、並びにエアコン関係の改善に向けての取組みを確約しているとのことで、新たな設計図作りも行われたとのことで、一つ大きな進歩が見られたことは間違いなかったものの、どうやらこのオーナーの新たなブログでは、日産から以下の返答があったようです。
「昨年9月の説明で、新たに作るとお話した『ベント基準』は新型車のベント基準のことです。現行V37ではありません。」
つまり、インフィニティブランドとして販売されたV37スカイラインでは改善されないという驚きの結果で、「新たな設計図作りも行われている…」というのは、新型の話をされていたということに。
こればっかりは、Vスカイラインのオーナーさんもお気の毒に…と思った次第です。
今回一番の被害を受けているのは鹿児島の某日産ディーラー
ただ、これによって大きな誤解を受けて一方的に傷つけられてしまったのが鹿児島の某日産ディーラーで、これについては当ブログでも過去に独自に電話取材させていただき、今回の一件についてお話を聞かせて頂きました。
ディーラーとしては精いっぱいの対応をしていたにも関わらず、「ディーラー整備士の技術が低い(かなりマイルドに表現している)」などの誹謗中傷、そしてV37スカイラインのオーナーの文面にもディーラー整備に問題があるかのような内容があり、これによって某日産ディーラーは風評被害を受け複数のいたずら電話があったとのこと。
こういったところの説明がブログには無かったこと、自身の問題が解決すればそれでOKというスタンスを取られていることに非常に残念と思うばかり。
V37スカイラインのエアコン問題は納得いきがたい結果で、案の定日産側も改善の取り組みも…?
そしてもう一つ気になっているのが、本来改善すべき被害を受けたV37スカイラインのエアコン問題ですが、日産/インフィニティの公式ホームページでは、案の定エアコンに関する改善対策が公開されていません。
V37スカイラインがビッグマイナーチェンジを果たし、Vモーショングリルを得て”NISSAN”エンブレムが貼付された新型V37スカイラインにアップグレードしてからは、特にエアコン問題に関する内容は取り上げられておらず、SNSでもこれといった話題には挙げられていないものの、やはり一度こうして大事になった以上はとても気になるところですね。