フェラーリ812スーパーファストに試乗!ウェットな路面でも安定したFRグランドツーリング…優雅な走りと牙をむくじゃじゃ馬な走りは唯一無二

改めて5,000万円以上の価値を持つフラッグシップフェラーリは半端じゃない

さてさて、2020年にひょんなきっかけで知り合うこととなり、それから大変良くしていただいている友人と会うことになったため、その際に友人が乗っているフェラーリ812スーパーファスト(Ferrari 812 Superfast)に試乗させて頂くことに。

前回のブログでもご紹介した通り、ホワイトのボディカラーにブラックアクセントラッピングによって「エアロを装着した」かのようなクレバーなカスタムが施され、更にはNOVITEC仕様のカーボンファイバ製リヤウィングを装着することにより、優雅で伸びやかなグランドツーリングスタイルから、一気に戦闘機のような見た目へと変化。

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乗り心地や走りのパフォーマンスを一切変えることなく、あくまでも純正の走りを大切にするオーナー様の拘りと愛着心が伝わってくる一台でもあるため、実際に試乗してみると「やはりフラッグシップGTなだけって安定感が凄い…」と思わせるほど。

しかも今回は、雨の中でウェットな路面という事故を起こしやすいコンディションではありましたが、そういった雨の日の812スーパーファストの走りがどういったものなのかチェックしていきたいと思います。


正直雨の日の812スーパーファストは恐ろし過ぎて「乗れない」と思っていた

早速812スーパーファストに試乗していきましょう。

実際に運転席へとアクセスしていくと、スタンダードなスポーツシートに比べて着座位置の低いカーボンファイバ製レーシングシートが装備されているため、「こりゃ乗降りしにくそうだな…」と見た目では思うものの、いざアクセスしてみると容易に乗り降り可能に。

その後シート調整(前後のスライドのみ)やサイドミラーとルームミラーを調整したのち、強くブレーキを踏みながらステアリング上に設けられたエンジンスタータースイッチでイグニッションON→再度押してエンジンスタート。

このときの重厚感あふれるV12の咆哮を堪能しつつ、早速公道へと向かいます。

先述の通り、路面はウェット状態でスリップしやすい状態なので、走行モード(マネッティーノ)ダイヤルにて”WET(ウェット)”に切り替え安全運転。

特に歩道から公道へと通過した際、すぐに直線へと切り替えてアクセルを踏み込んでいくとスリップ→クラッシュの恐れがあるため、やはりある程度直線で速度が高まってきたときにアクセルを徐々に踏み込んでいきたいところですが、今回はウェットなので2割~3割ぐらいの踏み込みが限界。

V12フェラーリとは思えぬほどの安定した直線性

ただ、実際にウェットな路面を走っての正直な印象としては、確かに後輪駆動(FR)のスリップが怖くて踏み込めないという想いはあるものの、フェラーリ初の電動ステアリング(EPS)や、後輪操舵を行うバーチャルショートホイールベース2.0システム(PCV)の恩恵を受けていたこともあり、フェラーリ独自にチューニングされたアシストがあってこそ、常に安定して真っすぐ走れていたということも。

この辺りの安定感は、488GTB(スパイダー)/458イタリア/488ピスタとは大きく異なり、とにかく足回りがバタバタせずに直線性をキープしてくれるのがわかるほど。

だからといってフェラーリはそんなに甘い乗り物ではない

そういった意味では、「一部フェラーリの電子制御に頼る」走りのおかげで、今回は何事も無く走ることはできましたが、ある程度走り慣れてきた頃に「自分は大丈夫」と油断したときに牙をむくのがフェラーリであって、反対にアシストを阻害するようなアクセルONや乱暴な走りになってしまうと、簡単にドライバーの意に反した走りになってしまうため、そういったことを容易に想像させてくれる機能の一つでもあったことは事実。

ウェットな路面でフェラーリを走らせることは自分との闘いにもなっている?気になる続きは以下の次のページにてチェック!