フルモデルチェンジ版・トヨタ新型ヴォクシーとシエンタを並べて比較!走りや乗り心地(突き上げ有無)はシエンタの方が良い?運転席からの見晴らしは?

両車の用途や価格帯は異なるが、比較インプレッションの注目度は高そうだ

前回のブログにて、私が所有しているトヨタ新型ヴォクシー(Toyota New Voxu)ハイブリッドS-Z[2WD]と新型シエンタ(New Sienta)ハイブリッドZ・2列5人乗り[2WD]の禁断の比較を行ったところ、予想以上の反響だったため、今回は乗り味やドライブフィールをメインとした内容をお届けしたいと思います。

何れも完成度は非常に高く、トータルの満足度が非常に高い両車ですが、同じミニバンというカテゴリーながらも、ミドルサイズミニバンのヴォクシーと、エントリーコンパクトミニバン(MPV)のシエンタでドライブフィールが大きく異なるのはユニーク。

それぞれの良さをチェックしていきながらも、どちらが優れているのかを比較しつつ、そして実際に自分で所有してみて気になるポイントも見ていきたいと思います。


新型ヴォクシーとシエンタではどちらが乗り心地が優れている?

まzは、新型ヴォクシーとシエンタの乗り心地について比較していきましょう。

あくまでも私個人が直感的に思うところを取り上げているので参考程度に見ていただきたいのですが、乗り出しのスムーズ感や最初のカーブを抜けた時のねじり剛性の高さ(縦と横のねじれるような揺れの小ささ)、そしてグレーチングやマンホール、道路のつなぎ目を通過したときの突き上げの小ささはシエンタの方が上。

おそらくボディサイズや車内寸法の差(ボディや骨組みも関係している?)も影響しているとは予想されますが、これに加えて走行中に感じられる塊感や安定感、そして揺れの少なさを総合してみると、意外にもシエンタの方がポイントは高く感じたところ。

両車ともにハイレベルで、新型ヴォクシーの乗り心地も良いのだが?

それではヴォクシーは乗り心地が宜しくないのだろうか?という疑問もあるかと思いますが、決してそういった意味ではなく、ヴォクシーも乗り心地は優れていますし、先代80系に比べると振動もかなり抑えられた印象を受けます。

ヴォクシー/シエンタ共にレベルの高い乗り味であることは確かで、何れもミドルサイズミニバン/エントリーコンパクトミニバンとしてのカテゴリーで見たときの満足度は高いと考えているため、実際に両方を所有した上で、あくまでもボディがコンパクトで塊感の強いシエンタの方が乗り心地や剛性の高さ、そして突き上げの小ささにおいて軍配が上がっているという意味合いになります。

新型ヴォクシーとシエンタのドライブフィールは?

続いては、新型ヴォクシーとシエンタのドライブフィールについてチェックしていきましょう。

ヴォクシーのドライブフィールは?

まずヴォクシーのドライブフィールについてですが、これも実際にドライブしてみて直感的に感じることを記載しているので参考程度になってしまいますが、ヴォクシー・ハイブリッドの場合は車体が大きい分、どうしても横風アタックを受けたときのブレが出てしまい、少し不安定に感じてしまうところ。

あと様々な路面を通過する際、キレイに舗装されているところでの静かさは特筆すべきところではあるものの、マンホールやゼブラゾーン、減速を促すようなほんのちょっとした隆起物(ハンプ)を通過する場合だと、どうしてもノイズが目立ってしまう印象ではあるものの、それが走行中に大きなストレスに感じてしまう?と言われるとそうでもないところ。

おそらくトヨタとしては、家族を支えるファミリーミニバンというコンセプトで充実した装備を採用する一方で、乗り味や普段使いといった、より深堀するようなところに関しては「完璧」を求めるのではなく、70点~80点といったいわゆる「合格点」を目指したクルマ作りをしているのかもしれないですし(少なからず私はそのように感じた)、個人的にはこういったクルマづくりや考え方はコストを抑える上で魅力的に感じるところですし(その方がオーナーからの評価を受けた際に、改善の余地が十分にあるから)、フラッグシップミニバンのアルファード(ALPHARD)/ヴェルファイア(VELLFIRE)と上手く差別化しているところだと考えています。

シエンタのドライブフィールは?

続いてシエンタのドライブフィールに注目していくと、シエンタはミニバンを運転しているというよりも、どちらかというとハッチバックを運転しているような感覚で、アイポイントやシートポジションの低さもヴォクシーとは大きく異なるところ。

そのため、横風アタックを受けたときの安定性や、しっかりと舗装された道路とあまりされていないところとのギャップの小ささというところでは、シエンタの方がレベルが高いように感じられます。

ヴォクシーに対して、まだ数える程度しかロングドライブができていないため、気になるポイントは意外と少ないところなのですが、高速道路を走行するときの非力さに関しては、排気量の小さいシエンタの方が強く感じるかもしれませんね(当然といえば当然ですが…)。

もちろん、周りの流れに合わせるような走りであれば不満は特に感じられませんが、登坂車線が設けられた上り坂や、追い越しが必要になる場面などになるとアクセルを踏み込んでからの加速レスポンスはちょっと遅めですし、アクセルを踏み込んだ分だけ加速しているという感覚が感じにくいというのが正直なところです。

2ページ目:新型ヴォクシーとシエンタでエンジンの唸りはどちらが大きい?