トヨタ新型センチュリーSUVは想像以上に凄い車だった!「ボルト締めは従来の車の12倍の時間を費やす」「組立を任せられるのは3つの試験をクリアした僅か40名のみ」

2023-11-30

新型センチュリーSUVの月産台数は僅か30台のみ…改めてトヨタはとんでもない車を生み出したことがわかる

2023年9月6日に発表・発売されるも、車両本体価格は2,500万円(税込み)と高額で、購入できる販売店は「センチュリーマイスターが常駐する一部のディーラーのみ」、更には事前の厳しい面談を通過しないと購入できないと話題のトヨタ新型センチュリーSUV(Toyota New Century SUV)。

優れた品質を持ちながらも、ボディカラーも「[KIWAMI LINE]黎明 杼型(れいめい ひがた)プロミネントグレー×ブラック」を選択すると200万円のオプション費用が発生するなど、まさにトヨタの最新技術と匠の技術が融合した究極の一台といえるでしょう。

そんなセンチュリーSUVの組立プロセスに関するトヨタイムズ記事が掲載されており、従来の車づくりとは大きく異なる特殊な内容であることが明らかとなりました。


センチュリーSUVは、1,500名の優秀な従業員のなかから、僅か40名だけが選ばれる

国産車のなかでも最上級ショーファーカーともいえるセンチュリーSUVですが、まずいきなり驚かされるのが「組立可能な従業員がごく少数」だということ。

具体的には、トヨタの従業員1,500名のなかから厳選された、僅か「40名の熟練スタッフのみ」のチームで構成されています。

本モデルは、日本のトヨタ自動車・田原工場にて生産されており、前述の通り40名の熟練スタッフによって組み立てられ、細心の注意を払いながらハンドメイドにて組み立てられます。

ちなみに、この40名のスタッフを選出するには、これまでに3部構成の厳しい試験に合格する必要があるとのこと。

センチュリーSUVの組立てに必要な「3つの試験」とは?

ちなみに3つの試験をパスするだけでも「かなり狭き門」と云われているそうですが、チームに選ばれた一人の田中宏樹さんによると、試験は3つのモジュールで構成されていて…

➀:基本スキルの初期評価

②:センチュリーの歴史、車両構造、関連トピックを対象とした筆記試験

③:高級シリーズの構築の熟練度を示す実技試験

を達成する必要があるとのこと。

田中さんは、「筆記試験は、実技よりも難易度が高く、問題数は200問ありましたが、学生時代以来、真剣に本を読んで勉強し、無事に乗り越えることができました」とトヨタタイムズに語りました。

加えて田中さんは、「トヨタとセンチュリーの歴史から車独自の高品質な製造技術まで、多くの新しいことを学びました。とても貴重な経験でした」と語っており、センチュリーを製造する上で「センチュリーの全てを知り尽くすこと」が、より高い品質と完成度を高めていくの必要不可欠なプロセスなのかもしれません。

ランドクルーザーでの製造ラインの経験が今に活かされている

(2023年11月時点で)35歳の組立作業員である田中さんは、2007年にトヨタ自動車に入社。

トヨタ工業学園(TOYOTA TECHNICAL SKILLS ACADEMY)を卒業した後、当時は「ランドクルーザーは夢の車だった」と語っていて、「まさか入社してランドクルーザーの生産ラインで仕事を始められるとは予想もしていなかった」と、当時興奮していたことを今でも鮮明に覚えているそうです。

田中さんは、「これまで数多くのランドクルーザーのシャシーを組立た経験があったからこそ、センチュリーSUVのサスペンション・コンポーネントを取り付ける現在の仕事に活かされている」と語っており、ほんの僅かなミスや失敗が、車両の他の部分に大きく反映されるため、彼の仕事は特に重要なポイントになっているとのこと。

2ページ目:ボルトやナット一つ締めるのにも、従来の車の12倍の時間を要する?!