2023年に競売に出品された日産スカイラインGT-R R34シリーズ4連発!「ポールが運転していた本物のR34の劇用車」「フロントが大破しながらも高額値で落札されたBNR34」他

2023年も、様々なスカイラインGT-R R34が競売に出品された

日本製&右ハンドル仕様のスポーツカーで最も高値で取引されると云われている日産スカイラインGT-R。

そのなかでもBNR34は、映画「ワイルド・スピード」の影響もあって神格化され、新車価格の10倍以上にて取引される例も珍しくはありません。

2024年からは、いよいよ初期型のR34がアメリカ独自の輸入規制「25年ルール」解禁となるため、超高額値で取引されることが予想されますが(一方で盗難にも注意しなければならない)、今回は2023年に競売にて出品されたスカイラインGT-R R34のなかでも、一際インパクトを残した個体4連発を見ていきたいと思います。


ブライアン仕様に改造された劇用車となるスカイラインGT-R R34

まず一つ目は、映画「ワイルド・スピード」のシーズン4にて、故ポール・ウォーカーが演じたブライアン・オコナーの愛車である日産スカイラインGT-R R34(Nissan SKYLINE GT-R R34)の劇用車が競売に出品。

2023年4月28日にBonhamsオークションにて出品された、こちらのスカイラインGT-R R34ですがシャシーナンバーは「1K1AAWDD77K400109」。

そして、このブルーのスカイラインGT-R R34は、映画の爆破シーンにて使用するため、本来はレプリカ6台(いわゆるスタントカー)が使用されたとのことですが、競売に出品された個体は「本物のR34」だそうで、しかもポール・ウォーカーが実際に運転していた個体。
※レプリカに使用されたのはノンターボのスカイラインGTに専用ボディキットをインストール

エクステリアデザインとしては、V-Specに近い仕様ですが、厳密にはカイゾー・インダストリーズ(Kaizo Industries)のダリル・アリソンが、ポール・ウォーカーから「特別な仕様に合わせて欲しい」との依頼を受けて特注でカスタムしたとのこと。

インテリアはこんな感じ。

オリジナルのロールケージや特注のダッシュボードに取り付けられたPC、そしてポール・ウォーカーが座っていたというOMP製カスタムレーシングバケットシートも装備され、一つ一つがポールが拘りぬいたというインテリア。

ちなみにこのダッシュボードモニターには、8,500ポンド(日本円に換算して約138万円)近くのカスタム費用が掛かっていると言われています。

予想落札価格は日本円で約1.1億円だったが、実際は約1.9億円にて高額落札!

最後に、特別に改造されたスカイラインGT-R R34の最終落札価格は1,357,000ドル(日本円に換算して約1.9億円)とのことで、当初予想されていた800,000ドル(日本円に換算して約1.1億円)を大幅に上回る高額落札となりました。

生産されたのは僅か144台のみ!ミレニアムジェイドのスカイラインGT-R R34 M-Spec Nurが競売に登場!

続いては、2023年1月に海外オークションサイトBring A Trailerに出品された、とても希少なスカイラインGT-R R34 M-Spec Nur。

ボディカラーはミレニアムジェイドと呼ばれるチタニウムのような特殊な色合いで、おまけにM-Spec Nur×ミレニアムジェイドの組合せは、日本で僅か144台しか製造されておらず、競売に出品された個体は「34番目」とかなり若め。

M-Spec Nurといえば、R34型のアルティメットスポーツグレードとしてV-SpecⅡ Nurと共に限定1,000台のみ販売。

V-SpecⅡNurはスプリントレース志向のモデルとして、M-Spec Nurは耐久レース志向のモデルとしてラインナップされましたが、後者は僅か285台のみの生産とのことで、希少性の高さでは上なのかも。

なお足もとを見ていくと、18インチのNISMO LMGT4ホイール×ブリヂストン製タイヤが装着されていて、2021年に「NISMOによって新たなホイールボルトが装着された」との記録も。

足回りにおいては、電子制御のスーパーハイキャスリアホイールステアリングシステムが標準装備され、サスペンションには、リップルコントロールダンパーと呼ばれる従来のR34に比べて剛性の高いリアアンチロールバーも装備。

競売での落札価格は、新車価格の12倍以上となる約6,440万円!

ちなみにこのモデル、一番最初は神奈川県のオーナーが約18年間(2020年まで)所有しつづけ、その後オーストラリア・シドニーのコレクターがガレージにて保管していたのだそう。

そのため、車のコンディションとしては何も問題なく、走行距離も僅か44,172kmと少な目。

最後に、このモデルの予想落札価格は450,000ドル(日本円に換算して約6,360万円)でしたが、最終落札価格は455,000ドル(日本円に換算して約6,440万円)とそこまで大きく伸びなかったものの、それでも新車価格の12倍以上ですから、とんでもないプレミア価値が付いています。

2ページ目:過走行&事故車のスカイラインGT-R R34や、フロントバンパーが大破したR34でも1,000万円以上の価値がある?!