マツダ新型CX-60が度重なるリコールや改善対策に加え、今度は「合計9種類」ものサービスキャンペーンを届け出ていたことが発覚!マツダ大丈夫かよ…

一部では「オーナーがテストドライバー」と表現されていたCX-60だが、果たしてその表現は適切だったのだろうか?

2022年9月に発売されて1年8か月が経過した、マツダ新型CX-60。

ラージ商品群第一弾&次世代CXシリーズということで、日本国内でも高く注目されたミドルサイズSUVですが、一方で開発期間の短さからなのか、乗り心地の悪さやエンスト問題など、様々な不具合や欠陥などが報告された一台でもあります。

一部のカーメディアでは、「CX-60はオーナーがテストドライバーとなり、商品を良くしていく」という風に表現していましたが、見方を変えれば「ユーザーの視点に合わせてモノづくりが出来ていなかった」と捉えることもできます。

そんなCX-60も、これまで幾度となくリコールと改善対策を届け出てきましたが、今回何と「累計9種類(大きく分けて3種類)」ものサービスキャンペーンを届け出ていたことが明らかとなりました。


ところでサービスキャンペーンやリコール、改善対策との違いは?

ちなみにリコール等の不具合に関しては「起きないことが一番安全」ではあるものの、工業製品である以上、どこかしら不具合が生じる恐れがあり、その対策や処置としてリコールや改善対策、サービスキャンペーンが存在します。

処置の重要度しては「リコール>改善対策>サービスキャンペーン」の順で、リコールの場合だと「事故や走行が困難」といった問題に発展する恐れ、サービスキャンペーンだと「事故が発生するほどではなく、公道走行に支障を来すほどのレベルではない」内容になると言われています。

それぞれの内容の違いは以下の通り。

【リコール/改善対策/サービスキャンペーンの違い】

リコール

自動車が国の定める「道路運送車両の保安基準」に適合しない状態、または、適合しなくなるおそれがある状態で、原因が設計または製造過程にある場合に、その旨を国土交通省へ届け出て、ご使用のお客様にご連絡して無料で修理させていただくもの


改善対策

自動車が国の定める「道路運送車両の保安基準」に不適合状態ではないが、安全上または公害防止上放置できない状態、または、放置できないと判断される状態で、原因が設計または製造過程にある場合に、その旨を国土交通省へ届け出て、ご使用のお客様にご連絡して無料で修理させていただくもの


サービスキャンペーン

リコールまたは改善対策に該当しないもので、商品性の改善のために、国土交通省に通知し、お客様の自動車を点検、もしくは修理させていただくもの

via:MAZDA

サービスキャンペーン(その1)を見ていこう

まずはサービスキャンペーン(その1)を見ていきましょう。

その1の不具合内容は、以下の通り4種類が届け出されています。

サービスキャンペーン➀

エンジン制御コンピュータにおいて、高圧EGR(排気ガス再循環装置)バルブの制御プログラムが不適切なため、バルブのシールリングが一時的に固着することがある。

そのため、バルブが全閉できず、その瞬間に故障判定してエンジン警告灯が点灯すると共に、フェイルセーフ機能が作動してアイドリングストップが作動しなくなるおそれがある。

また、エンジン出力と過給制御が制限されるおそれがある。


サービスキャンペーン②

エンジン制御コンピュータにおいて、ブレーキスイッチの故障判定条件が不適切なため、ブレーキペダルに足を乗せて軽く踏み込む操作を繰り返した場合に故障として誤判定し、エンジン警告灯とマスター警告灯が点灯することがあります。

そのため、フェイルセーフ機能が作動してマツダ・レーダー・クルーズ・コントロール等の運転支援システムが作動しなくなるおそれがある。

また、ハイブリッド車はEV走行が、ハイブリッド車以外はアイドリングストップが作動しないおそれがある。


サービスキャンペーン③

トランスミッション制御コンピュータにおいて、変速状態を判定する条件設定が不適切なため、減速時に3速から2速に変速する際にクラッチの締結タイミングがずれることがあり、変速ショックが発生するおそれがある。


サービスキャンペーン④

トランスミッション制御コンピュータにおいて、5速から6速に変速する際の油圧設定が不適切なため、変速中にアクセルを離して再度踏み込むなどの操作をした場合に変速時間が長くなり、故障として誤判定しエンジン警告灯とAT警告灯が点灯することがある。

そのため、フェイルセーフ機能が作動して6速以上への変速と、マニュアルシフトモードへの切り替えが禁止されるおそれがある。

また、停車する直前にNレンジへ自動的に切り替わるおそれがある。

対象モデルをチェックしていこう!

なお、気になる対象モデルは以下の通り。

これによる事故や不具合は起きておらず、社内からの情報により明らかになっています。

【サービスキャンペーン対象モデル一覧】
[対象型式/対象車台番号/製作期間/備考]

[CX-60]
・3CA-KH3R3P/KH3R3P-100013~KH3R3P-113088/令和4年7月5日~令和6年2月22日/➀、②

・3DA-KH3P/KH3P-100015~KH3P-112282/令和4年11月18日~令和6年2月22日/➀、②

・5LA-KH5S3P/KH5S3P-100004~KH5S3P-101246/令和4年10月19日~令和6年2月22日/②

・5BA-KH5P/KH5P-100009~KH5P-105555/令和4年12月14日~令和6年2月22日/②、③、④

なお改善措置しては以下の通り。

➀と②・・・全車両、エンジン制御コンピュータの制御プログラムを対策プログラムに修正

③、④・・・全車両、トランスミッション制御コンピュータの制御プログラムを対策プログラムに修正し、トランスミッションの初期学習を実施

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