マツダCX-50の「メーター情報がわかりづらいから事故を起こした」としてオーナーが北米マツダを訴える。原因を追究していくとドライバーの操作ミスの可能性も?
今回の訴訟問題は「娘さんの操作ミス」と思われも不思議ではないが…
アメリカではこれまで、自動車の使い勝手や機能、もしくは操作ミスを誘発するであろうメーカーのUI/UXに対して様々な訴訟が起こされてきました。
そして今回、マツダ新型CX-50の使い勝手やシステムが「わかりづらい」として、これによってオーナーの娘が事故が起こしたために訴訟問題へと発展しています。
CX-50のオーナーである男性は、マツダ車に重大な欠陥があり、そして危険性が極めて高いと主張していて、賠償金として500万ドル(日本円に換算して約7.2億円)を請求しています。
エンジンを始動するためのインフォテイメントシステムがわかりづらい
今回、マツダを訴えたのはアメリカ・ペンシルバニア州在住のジョシュア・Mさんで、2024年5月にマツダCX-50を新車にて購入したばかりですが、わずか2週間後に娘さんが同車を運転したところ事故が発生。
ジョシュア・Mさんによると、CX-50には「明らかな欠陥があった」と主張していますが、そもそもどのような欠陥があったのかが気になるところ。
もう少し掘り下げていくと、どうやらコックピットにある液晶メーターに表示される「ブレーキを踏んでから車を始動(発進?)してください」という指示があまりにも”曖昧過ぎる”とのことで、この指示や表示方法が不明確であると主張しています。
どういうことか?というと、娘さんはブレーキを踏んだ状態でエンジンスタータースイッチを押してエンジンスタートしたのかと思いきや、実際はブレーキがしっかりと踏まれておらず、アクセサリーモード(エンジンを始動する前段階のモード)になっていたということに。
ただそうなると、「アクセサリーモードだとエンジンは始動しておらず、そもそも車が動かせない状態だから、事故が起きるのはおかしくないか?」と思われる方も多いはず。
なお娘さんは、この事故が発生する前に「父から明確な運転方法などをレクチャーしてもらった」と主張していますが、仮に娘さんが明確なレクチャーを受けていたのであれば、操作方法を誤った可能性もありますし、無視をしてしまったり、パニックに陥ってしまった可能性も考えられそう。
何れにしても、今回の事故はドライブレコーダーのデータを確認することも含めて調査していくことになると思いますが、前述にもあるように「どのような流れで事故に至ったのか?」も気になるところ。
運転するための手順に誤りがあった可能性も高そうだが…訴訟の重要なポイントを見ていこう
ちなみに、今回の訴訟内容の重要な部分は以下の通り。
娘はエンジンストップ&スタートボタンを押しました。
するとディスプレイに「ブレーキを踏んで車を始動してください」と表示されました。 ←アクセサリーモードを意味
彼女はブレーキを踏み、車をパーキングからドライブにシフトしました。
車はすぐに「後退」し始めました。
彼女はブレーキを踏むなどして車を制御しようとしましたが、パワーブレーキとパワーステアリングはどちらも反応しませんでした。
娘は後退している車から降りて、車はそのまま木にぶつかりました。
これはすべて「マツダの責任」だと考えます。
この内容を見ると、娘さんは「D(ドライブ)レンジ」にシフトして発進しようとしたところ、車が「後退」してしまったということになり、しかも娘さんはフットブレーキを踏んでも「ブレーキが効かなかった」ということに。
この時点でエンジンは始動していないことになりますが、もしかするとCX-50は傾斜のある駐車場に停めていて、電動パーキングが解除された(厳密には娘さんが解除した?)状態でDシフトもしくはNシフト → パーキング解除されているため、CX-50はそのまま自重&惰性で坂を下っていき、その先の木に衝突したという可能性も考えられそう。
※上の画像は、あくまでもイメージです
ただ原告側としては、車が故障している危険性があるとして、娘さんはバックしている車両から緊急でダッシュ → 無人の車両はそのまま木に突っ込んだ、ということになりますが、本当に車両がこのような誤作動を起こしたのかは疑問に思うところ。
なお訴訟内容には特に「パワーブレーキとパワーステアリング」と記載が強調されていて、これは通常のブレーキとステアリングは機能していたが、パワーアシストモードでは機能していなかったことを示しているようです。