日産がヘッドレストの種類削減で約2,500億円のコストカット?品質を犠牲にしない「コスト削減案」を公開するも、品質低下と寿命低下の懸念
(続き)日産の経営再建計画において検討が進められているコスト削減案について
引き続き、日産の経営再建計画「Re:NISSAN」において、固定費と変動を大幅に削減するための案を見ていきましょう。
コスト削減案②:紫外線防止のためのシート染料を廃止

ヘッドレストの種類を減らすだけでも、大幅なコストカットが期待できますが、もう一つ注目しているのがシート。
これは、日産を時代遅れの慣習から脱却させているように思われますが、富田氏によると「日産はシートに紫外線にさらされても色褪せない染料を使用している」とのこと。

一見すると素晴らしい技術にも見えますが、これは車が普通のガラスを使っていた時代に採用されていたもので、今の車は紫外線を遮断するガラスを使用しているために、「高価な染料は必要ない」という判断なのだそう。
ただ、高価な染料を使用しないということは…
■窓を開けて走行し続けるとなると、直接的にシートに紫外線を浴びてしまい、シートの寿命を縮めてしまうのではないか
■窓ガラスだけでなく、パノラマガラスルーフやサンルーフ/ムーンルーフなども開けて走行したときも、染料の寿命は変化するのではないか
■これだけ温暖化が進んでいるなか、先ほどのように窓ガラスやムーンルーフなどを開け、局所的に紫外線を浴びてしまったら、製品寿命低下と品質低下が露呈するのではないか
といった様々な懸念点も生まれてくるわけですね。
これだけ様々な懸念点が出て来るのであれば、専用の染料を継続した方が良いのではないか?との見方もありますが、日産としては「できる限りコストを落としていく」ことが目的になっているため、もしかすると製品品質や製品寿命といったファクターには、そこまで力を入れていないのかもしれません。
コスト削減案③:大量生産向けの中国サプライヤーに目を向ける

そしてもう一つ検討が進められているのが、中国サプライヤーに目を向けているということ。
日産は、他の自動車メーカーと同じ部品を使用できるよう、製品基準の一部を緩和することも検討しています。
また、高効率で規模の経済性にも優れ、コスト削減につながる中国サプライヤーにも目を向けているとのこと。

富田氏は、「日産が販売台数を追求するにつれて、これらのコストが膨れ上がった」と説明しており、「より多くの車を、より早く売ることだけを追求」するあまり、日産はコスト管理を怠り、販売台数が頭打ちになると、十分な販売台数に達していない車種に、高いコストと複雑な構造が残されていました。
こうした悪循環からの脱却を目的に、根本的なフローの見直しとして、先ほどのようにサプライヤーの見直しが優先的に検討されているんですね。
ただその一方で、「顧客には見えない形でコストを削減する」という、難しいバランスを保たなければならないのも事実。
富田 氏は、「これはコンテンツ削減だと言うべきではありません」と語り、加えて「私たちは、すべてのアイデアに賛成しているわけではありません。また一部の分野でコストを削減することで、研究開発への投資が可能になり、製品の改善につながる」と主張していますが、果たしてこれらの案が現実的なものなのか、スピード重視で「見落としているポイントはないのか」なども、精査していく必要はあるかと思います。
1ページ目:日産がコスト削減案の一つに掲げている「ヘッドレストの種類を減らす」とは?




