日産の新型エルグランド (E53)は「e-POWER×e-4ORCEの一択」で確定か?フラッグシップの品位維持に加え、価格本体価格は約550万円と予想

やはり日産の新世代ラージサイズミニバンということもあり、価格やグレード設定も気になる

2025年10月29日に世界初公開された、日産のフルモデルチェンジ版・新型エルグランド (Nissan New Elgrand, E53)。

日本での発売時期は2026年夏頃を予定していて、私がお世話になっている日産ディーラーでも、既に複数の問合せが入っているそうです。

現行E52型が誕生してから約15年という長い年月を経て、ようやくフルモデルチェンジを果たす新型エルグランド (E53)ですが、やはり発表されたばかりの新型車ということもあって、賛否は大きく分かれど注目度としては抜群。

そんなエルグランド (E53)について、現時点で判明している情報含め、気になるポイントなどもチェックしていきましょう。


新型エルグランド (E53)は、第三世代e-POWER×四輪駆動[e-4ORCE]のみの可能性が高い

まずは、新型エルグランド (E53)のパワートレインについてですが、今回の公式ニュースリリースより、専用設計により効率を高めた発電特化型エンジンの排気量1.5L ZR15DDTe型直列3気筒ターボエンジンが搭載され、モーター・発電機・インバーター・減速機・増速機の5つの主要部品をひとつにまとめた「5-in-1 e-POWERパワートレインユニット」による、第三世代e-POWERが採用されます。

しかもこのe-POWERシステム、自動車モータージャーナリストのYouTube動画によれば、システムトルクは500Nmを発揮するほどのスペックを持ち、ノンハイブリッドモデルでいえば排気量5.0L V型8気筒自然吸気エンジン相当のパフォーマンスを発揮するのだとか。

そうなると、システム総出力はどうなるのか?実質的な燃費性能や航続可能距離はどうなるのか?などの疑問も出てきますが、ラージサイズミニバンに相応しいスペックであることは間違いなさそう。

そんな新型エルグランド (E53)のパワートレイン構成についてですが、私がいつもお世話になっている日産ディーラーからの情報によると、どうやらこの「e-POWER×e-4ORCE」をベースに、僅か2~3グレードのみとなる可能性が高いそうで、C28セレナのように「ハイウェイスター/非ハイウェイスター」といった、より細かなグレード分けはないのではないか?との見方があるようです。

っというのも、今回のモデルは日産のフラッグシップミニバンであり、エルグランドに対する開発陣の並々ならぬ想いがあるようで、「フラッグシップミニバンの廉価グレードは、品位・レベルを落とす」ことにもつながることから、僅かなグレード構成でメーカーオプションを自在に選択できる、という立ち位置に変化するのかもしれません。

実は日産公式プレスリリースでも「複数のグレードが存在する」ことを明かしている

そうなると、個人的に一番気になるのが予防安全装備&ドライビングサポート機能のプロパイロットとそのプレスリリース内容。

新型エルグランド (E53)では、高速道路での運転を支援する「プロパイロット2.0」「プロパイロット」を搭載していて、おまけに「プロパイロット」は、新たに渋滞時に時速50km以下のスピードでハンズオフした状態の走行が可能になることも明らかになっています。

また、ドライバーによるウインカー操作により、車線変更支援を行う機能を追加したことも記載されていますが、車線変更支援に関しては、注意書きで「グレードによる」とわざわざ記載されていることから、「1グレードのみの設定」という可能性は消えるわけですね。

あとは、「プロパイロット2.0」と「プロパイロット」の2種類を記載するということは、おそらくプロパイロット2.0はメーカーオプション(もしかするとヘッドアップディスプレイとのセットオプション?)となる可能性があり、その理由も競合モデルとなるトヨタ・アルファード HEVのエントリーグレードの価格帯に近づけるため、といった特別な理由があるのかもしれませんね。

オーテックからもエルグランド AUTECHが発売されることが決定

ちなみに日産は、今回のエルグランド発表に合わせて、カスタマイズモデルのエルグランド AUTECHの存在も明らかにし、2026年夏頃に発売することも明らかにしています。

「AUTECH」は、多種多様なカスタムカーづくりで蓄積してきた同社伝統のクラフトマンシップを継承し、スポーティでありながら高級感漂うスタイリングを伸長させたブランドです。

素材などの細部にもこだわりを持つお客さまに向けた、プレミアムスポーティをコンセプトとしています。「AUTECH」ブランド発祥の地である湘南・茅ヶ崎の「海」と「空」のイメージから想起したブルーをブランドのアイコニックカラーとしています。

なお、新型エルグランド「AUTECH」の発売は、2026年夏頃を予定しています。

via:AUTECH

こちらは具体的に「どのグレードをベースに」との記載は無いものの、仮にエルグランドに「e-POWER X[e-4ORCE]」「e-POWER G[e-4ORCE]」といった設定があった場合、高確率でe-POWER G[e-4ORCE]をベースにしたモデルになるでしょうね。

新型エルグランドの価格はどうなる?

そして、今回最も気になるのが新型エルグランド (E53)の価格帯。

まだまだ詳細不明ではあるものの、先ほどの通りe-POWER・3列7人乗り[e-4ORCE]のみの設定だったと仮定して、ほぼほぼメーカーオプションを装着しない状態で販売するとなると約550万円~約560万円ほどになるのでは?と推測。

この予想価格の背景には、競合モデルとなるトヨタ・アルファード HEV X・3列8人乗り[E-Four]が532万円(税込み)であることから、ここに3列7人乗りによるキャプテンシートの設定や、日産独自の専用装備が標準設定されると仮定して、少し高めに設定してくると予想しています。

ここからプロパイロット2.0だったり、リアエンターテイメントシステムやBOSEプレミアムサウンドシステム(22スピーカー)などがメーカーオプションだったとして、そのオプションをどんどん積み上げていくことで自分のグレードを生み出していく、という流れになるのかもしれません。

そう考えると、エルグランド e-POWER [e-4ORCE]のフルオプション仕様ともなれば、乗り出し価格は750万円~800万円が妥当なところで、アルファード/ヴェルファイアのHEV Z/HEV Z Premierに匹敵する価格帯に近づいてくるかもしれませんね。

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