人の手はもう不要。グッドウッド・ヒルクライムにてドライバ不在のロボカーが初走行【動画有】

2020-05-26

人の手を使わないカーイベントってアリ?

来月7月12日より開催されるグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2018にて、世界で初めて全自律走行車両のロボカーが1.86kmもの長いヒルクライムを走行しました。

今回は、人が乗らない完全自律車両ということで、ある意味前代未聞のイベントと言ってもおかしくはないのですが、こうした人の手によって操作せずに車を走らせることやイベント等で無人で走らせることが当たり前の時代になってくることは、その時代の進化を感じつつも、どこか寂しくなるようなところもあったり。


今回走行のロボカーは、360度の周囲を見渡すことのできるビューカメラを搭載することで、様々な障害物をクリアしていくことを可能としたモデルとなりますが、事故等のハプニングを回避しなければならないところもロボカーの新たな課題となっています。

今回登場している個体のスペックは、最高出力183psを発生する電動モータが4基搭載され、システム総出力は507psを発揮。
LiDARやレーダー、超音波センサー、高解像度カメラ、GPSシステムを装備することでロボカー本来のパフォーマンスを発揮するためのAIドライバアルゴリズムを備えたハイテクコンピュータによって、自動運転を実現しています。

ヒルクライムは、ロボカーが進化するためのきっかけに過ぎない

なお、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの創始者であるリチャード・デューク氏とチャールズ・ゴードン・レノックス氏によれば「ロボレースは、新たなテクノロジーを進化させるプラットフォームを提供する」と説明しており、今後も更なる走行技術の追求と、人の手同様のハンドリング性能、繊細さも重要になるとのことで、今回グッドウッド・ヒルクライムは、今後ロボカーを更に進化させるための重要なきっかけになっているのではないかと思います。

【Roborace to attempt first-ever autonomous hillclimb at Goodwood Festival of Speed 2018】

Reference:CARSCOOPS

番外編:プロレーサーとロボカーではどちらが速い?

関連記事:プロレーサーvs自律ロボットがレースバトル。果たして勝つのはどっち?【動画有】(2018/5/14投稿)

フォーミュラEレースのプロトタイプモデルとしてテスト走行が行われるロボレース「DevBot」とプロレーシングドライバであるライアン・チューク氏がラップタイムバトルを実施。
ライアン・チューク氏と言えば、トヨタ「86」にフェラーリ「458イタリア」のV8エンジンをスワップしたクレイジーモデル「GT4586」を操作した人物としても有名ですが、今回ばかりは予測不可能ともいえる自律走行ロボットで最先端技術を搭載するレーシングモデルが相手となります。

人間と自律走行ロボでのラップタイムを行った結果、ライアン・チューク氏のタイムは1分51.8秒で、ロボットは2分18.4秒と、圧倒的に人間の方が速い結果となりました。

自律走行ロボの技術はまだまだ未完成の状態であり、あくまでもプロトタイプ且つ実戦形式を活かしたプログラムの改善を施せば、更なるスピードアップが図れると、ロボレースCEOのDenis Sverdlov氏は説明。
今後、自律走行技術を搭載したレーシングモデルが当たり前のように登場する時代へと変化していくフォーミュラEVですが、人間の技術を遥かに凌ぐ可能性はあるかもしれませんが、将来的に人が存在しないレーシングカー同士で争いを見せることにユーモア性があるかと言われると非常に疑問に思うところではあります。

【RYAN TUERCK: Pro Drifter vs Autonomous Race Car in Human + Machine Challenge】

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