一体何のために?アメリカにて「マクラーレン・セナ」がクラッシュするというフェイク情報が拡散に→明らかに偽画像であることが発覚

2020-05-27

今度はアメリカに「マクラーレン・セナ」がクラッシュ…でもよ~く見てみると?

以前、ドイツとイギリスにて世界限定500台のみ販売されたマクラーレンのアルティメットシリーズ「マクラーレン・セナ」がクラッシュした記事をご紹介しましたが、今度はアメリカにてクラッシュしたという画像が拡散されています。
しかし、実際に拡散された画像を見てみると、明らかに「マクラーレン・セナ」だけデジタルピクチャで描いた感が凄く、実際に調べてみると本物の写真ではなくレンダリングであることが発覚しました。


実はデジタルアーティストによるレンダリングだった

今回このレンダリングを作成したのは、これまで数多くのスーパーカーの予想レンダリングを作成したきたデジタルアーティストのYasid Oozear氏で、彼がこのレンダリングを作成した目的として、「マクラーレン・セナ」に採用されるカーボンフレームを使用したシャシーの剛性が相当に高いことを示すことと、過剰なスピードオーバーでも車内のドライバをしっかり守れることを意味したレンダリングとのこと。

ただ、このレンダリングの詰めの甘い部分は、クラッシュした車体だけが明らかにデザインした感が満載だった以外に、リヤマフラが2本だしではなく3本出しであったこと。

「マクラーレン・セナ」のリヤマフラは、その国々によって2本出しにするか3本出しにするかで変わってきます。
その理由は非常に単純で、2018年6月より改訂された自動車型式認証制度(現在はイギリスも含む)に適合するため。

エキゾーストサウンドの騒音を制限する規制がより一層厳しくなっていくといわれているなかで、ノンハイブリッドモデルの「マクラーレン・セナ」の3本だしモデルには、サイレンサを設けることでエンジン始動時や低速域・低速走行時には3本目のテールパイプを活用することでノイズを許容レベルまで低減しサウンドを分散させることが可能となります。
そして、高速走行時には、バッフル及びエキゾーストは上2本のパイプを通って送られ、下部のパイプは完全に閉鎖されるとのこと。
こういった3本出しモデルは「EU仕様」と呼ばれているみたいですね(ちなみに日本は3本出しのEU仕様)。

一方で、アメリカ等にて納車される2本だしエキゾーストパイプに関しては、3本だしに比べてどの程度デシベル値が異なるのかは不明ながらも、「非EU仕様」と謳われるだけあってバルブコントロールも無し。低速域であろうと高速域であろうとノイズコントロールは行われず爆音全開で走行が可能となっています。

実は過去にも似たようなクラッシュレンダリングを作成

なおYasid Oozear氏は、こうした「マクラーレン・セナ」のクラッシュレンダリング以外にも、世界限定40台のみで約6.4億円もするブガッティ「ディーヴォ」のクラッシュレンダリングも作成。
その作成の理由には、「ハイブリッドエンジンへのシフト」や「固定化されたラインナップを脱却するため」といった深い意味合いが込められていたらしく、もしかすると「マクラーレン・セナ」もそういった環境規制を配慮したモデルへのシフトを訴えるため、さらにリヤマフラも非EU仕様ではなく、”敢えて”EU仕様にて描いたのかもしれませんね。

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Reference:autoevolution