フェラーリ・812スーパーファストで高速道路試乗(助手席のみ)!何コレすんごい楽…だけどちょっと気になるポイントも

直線性だけでなく、乗り心地などの実用面もかなり評価は高い

そして最も気になっている高速道路での乗り心地ですが、内装はレッドにホワイトのセンターストライプが入った本革スポーツシートで、若干肉薄のようにも思えるのですが、そこまでカタクない印象。

しかも高速域での路面と路面のつなぎ目を通過したときの突き上げ感はあまりなく、ぶっちゃけ目を瞑って音を遮っていたらスーパーカーには乗っていないような感覚に(マセラティ・グラントゥーリズモに近いかも…)。

それだけ上質且つしなやかさを持ち、スーパーカーの懸念される乗り味の悪さを上手くクリアしたラグジュアリーな一台ではないかと思います。

812スーパーファストより初めて採用されたバーチャルショートホイールベース2.0システムは?

そしてこのモデルの最も大きな特徴となっているのが、後輪操舵とフェラーリ初となる電動ステアリングを組み合わせるバーチャルショートホイールベース2.0システム。

このシステムは、高速道路で旋回するような場面(カーブが少しキツメのポイント)で自動的に作動するようになっているのですが、これは助手席から見てもはっきりとわかるほどにステアリングが動いているんですよね(後輪にかかるトルクやパワーがとんでもないため、それを制御して暴れないように自動調整している)。

要は後輪操舵による足回りの動きで瞬時にコンピュータ制御で先読みして、「もうちょっとこの位置までステアリング回すんだよバカチンが!」と説教されるんですが(トヨタ等のレーントレーシングアシスト(LTA)に近い感じ)、この制御が旋回中つねに働きかけているので、とにかくステアリングを離すことができないんですね。

そのため、高速道路走行中でもちょっとしたドリンクタイムを求めようものなら、そのときは助手席に座っている人がスッと差し出せるぐらいの準備をしておかないと「危険」というのがわかる一方、電子制御によるアクティブな働きによって直線性の走りの安定性は抜群で「これって本当に後輪駆動なの?」と疑ってしまうほど。

こういったところの安心さとちょっとした恐怖が入り混じるような体験は、一般道では体感できない領域だと考えていて、高速道路ならではの充実した走りを体感できたのはとても貴重でした。


これだけ優れたマシンなのにトランスミッションは未だに7速DCT

この助手席試乗を終えて改めて「確か812スーパーファストって最高出力800ps/最大トルク718Nmだよな…」と考えさせられるわけですが、あの瞬時に回転数5,000rpmを超えるずば抜けた加速性などを思い返してみると、体感的には馬力もトルクももっと引き上げられている感覚ですし、しかしそのパワーを見せつけないほどの余裕さを持っているのも812スーパーファストの魅力なのかもしれません。

ただその一方でちょっと残念に感じたのがトランスミッションの7速DCT。

セミオートマでパドルシフト操作しながらであれば特に気にすることは無いのですが、フルオートマにすると回転数を引き上げずにすぐに低回転でシフトアップしてしまうため、80km~90km/hぐらいですぐに7速に到達してしまうのはちょっとスリルが足りないかなぁと思うぐらい(ぶっちゃけ気にするレベルではないですが…)。

812の車内は先進性を求めた乗用車よりも良いかもしれない

ちなみに812スーパーファストのエアコンの効き目は一般の乗用車と変わらないレベルでとにかく快適(エアコン関連のスイッチはかなりチープだけど、直感的な操作は可能)。

そしてBluetoothやUSBで聞く音楽の音質も優れていて、何気にJBLのスピーカーを使用しているのにも驚き。

高速のトンネルでは812スーパーファストのV型12気筒自然吸気エンジンのサウンドを体感し、トンネル外や街中では周りからの熱い視線を受けながらも、優雅に走りつつ車内でトレンドミュージックを堪能する…かなり贅沢な時間だと思います。

812スーパーファストは「良いとこだけを集約させた夢のGTスーパーカー」

最後に、フェラーリ・812スーパーファストにて高速道路での助手席試乗を体験させていただきましたが、これでまた一つフェラーリのイメージが大きく変化し、「ここまで見た目と中身のギャップが凄いスーパーカーも存在するんだな」と思わせるほど。

「見た目はカッコいい方が良い」「だけど乗り心地にはこだわりたい」「音にもこだわりたい」「走りにもこだわりたい」「誰からも注目されたい」「スーパーカーに乗りたい」というわがままを全て叶えてくれる一台であると確信(あとリフトアップも可能なのでコンビニやカフェ、スーパーも余裕)。

新車販売価格にして3,896万円から、中古車販売価格にして約5,000万円ほどの超高額モデルではありますが、これだけの価格帯を積み上げれば男の夢が全て叶ってしまうことを教えてくれる瞬間でもありましたし、改めてこのような貴重な試乗体験をさせていただけたオーナー様には心より感謝です。

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