現代自動車の開発ボスがBMWやメルセデスベンツにケンカ売る。「価値の無い開発にコストかけすぎ」

2020-05-27

近年、自動車はますます自動運転技術を進化させ、交通事故”ゼロ”に向けて各社メーカはしのぎを削っていますが、そのような技術に対して韓国メーカ・現代自動車が牙をむけることに。
同社のハイパフォーマンス開発責任者であるAlbert Biermann氏は「BMWやメルセデスベンツ等の高級ブランドが、自動運転技術等の”無駄な”技術に夢中になり過ぎ、開発時間とコストをかけ過ぎている。これでは、消費者の購入負担が大きくなるだけだ」とわざわざ欧州メーカを名指しで批判。


同氏によると「確かに自動運転技術は誇大宣伝になるかもしれない。しかし、我々自動車メーカは車を作り、売らなければならない。ただ単に各社の技術レベルを大きく示しているだけで、本当にこういった技術を搭載した車をユーザが購入するだろうか?」と具体的に説明し、特に路面の状況を察知し、それに応じてサスペンションを調整する機能や、道路を感知するカメラ機能については強く言及。

実際のところ、現代自動車の上位ブランドに位置するジェネシスのフラッグシップモデル「G90」は、エアサスペンションを避け、少し重い高強度鋼プラットフォームを使用しており、更には一部の安全機能においてはメルセデスベンツ「Sクラス」を上回る可能性があるとのことで、自メーカのことを棚に上げての発言ではないことから、現代ブランドとして「ユーザ第一」であることを強く主張しているわけで、ある意味この発言については、一部賛同できるところはあるかもしれません。

特に、近年の国産車・外車の価格帯は明らかに上昇しているにも関わらず、それでも安全機能の充実化を図り、セーフティーサポートを標準装備し更に(十数万ほど)価格帯をアップしています(コストを最小限に抑えるといっても車両本体価格は上がっていることが多い)。

少し論点はズレるかもしれませんが、ユーザはこうした「安全機能」「標準装備」というキーワードに惹かれ、自身の運転をサポートする機能を「お金で買う」ことになるため、私たちは知らず知らずのうちに今日に至るまで価格帯が上昇し続ける車を買い求めていたことになりますが、今回の現代の発言については、私たちが求める車は一体何なのか、どういった車が欲しいのかを改めて考えるきっかけになっているようにも感じます。

Reference:CARSCOOPS