小学校3年生が自由研究で「信号無視」を調査→事故防止の啓発に貢献。なお歩行者による信号無視は「子供がゼロ」に対し「大人は約10%」

こうした地道な調査も凄いが、何よりも目の付けどころが素晴らしい

神戸新聞NEXTより、中学校の自由研究にて「信号無視」をテーマにした事故防止の啓発に貢献したとして、兵庫県警葺合署が中央小学校3年生の山口真佳(まなか)さん(9歳)に対し署長感謝状を贈ったとして大きな話題になっています。

今回山口さんが自由研究にてテーマに掲げた「信号無視」というのは、普段の日常生活において頻繁的に見かける出来事の一つであることから、「そもそもどうして信号無視が起きるのか?信号無視はどうすれば少なくなるのか?」「どれぐらいの割合で信号無視が起きているのか?」などを調査。

なお山口さんの調べによると、「調査場所は同区二宮町の山手幹線の交差点で、2021年7月下旬の平日朝、正午、夕方に各1時間、横断する歩行者と自転車の信号無視を観察」したとのことで、更にサンプル数は計約1,300人とかなりの工数であることがわかります。


自転車は15%が信号無視、歩行者の信号無視は「子供がゼロ」「大人が約10%」

なお山口さんの調査結果を見ていくと、自転車での信号無視が15%、歩行者での信号無視は「子供がゼロ」「大人が約10%」という結果に。

何とも興味深い調査結果だと思われますが、「いやいや、子供は集団登校で移動しているだろうし、交通ルールを守るよう指導されているじゃないか」というツッコミもあるかもしれませんが、今回の調査条件は「2021年7月下旬の夏休み期間中」であること。

つまり子供も登校以外の信号利用で「全くのゼロ」であるのに対し、「大人は約10%(約130人?)が信号無視をしていた」という情報を見る限りだと、普段から交通ルールの意識/危険意識が高いのは子供というのがわかる内容に。

本来であれば、大人が子供の見本になるような調査結果にならなければなりませんが、残念ながら今回の調査結果を見るに「子供が見本になっている」のを見ると、普段の日常生活において交通事故が減らないのも何となく納得。

最も信号無視が頻発する朝は僅か2%?一体なぜこんなに少ないのか?

なお時間帯別においては、無視が頻発すると予想されていた朝が僅か2%と非常に少ないとのことで、その理由が「警察官が立ち見張りをしていた」からとのこと(しっかりと無視が頻発する時間等を予測していたことも素晴らしい)。
※実際に山口さんの自由研究の調査結果にも、416人中57人(約14%)が信号無視をし、「おまわりさんがいることで、気を付ける人が増える」というまとめに

つまりこの書き方であれば「警察官が立ち見張りをしているから信号無視が少ない」という見方にもなってしまうため、我々大人は「普段から交通ルールが身についている」というわけではなく、「警察官の目を伺いながら交通ルールを守っている」といることを露呈してしまったようにも。

もちろん、全ての人が信号無視をしているわけではないにしても、この僅かな10%ほどの誤った行動により、幼い命が奪われたり、自分自身がどんなに気を付けていても周りが気を付ける意識を持たなければ予期せぬ大事故を引き起こすなど、改めてそういったことを考えさせてくれる調査結果であることがわかるものに。

あとはこうしたニュースが取上げられ、全国ネット等に公表されることで、これを目にした方々が普段の交通ルールを見直すきっかけになるのかどうか?というのも気になるところですが、少なからず何かしらの抑止効果、啓発に貢献していることは間違いないと思います。

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Reference:神戸新聞