フルモデルチェンジ版・ホンダ新型N-BOXに高級感を求め過ぎ?なぜか内外装の質感や装備面で批判的な意見が多く、軽自動車に対する見方が厳しくなっている件

新型N-BOX/N-BOX Customに期待しすぎた人も多かった?

2023年10月5日に発表/同月6日に発売されたばかりとなる、ホンダのフルモデルチェンジ版・新型N-BOX/N-BOXカスタム(Custom)。

私も、発売日当日に新型N-BOXカスタムターボ[2WD](JF5)が納車されましたが、現時点での満足度は高く、普段使い用として重宝しています。

内外装の完成度は高く、走りにおいても先代よりも段差や道路と道路のつなぎ目を通過したときの衝撃の抑え方や、振動の減衰性は非常に高く「これ本当に軽自動車なの?」と思わせるような仕上がりになっています。

そんな新型N-BOXが発表・発売されてから、SNSやYouTubeでは「質感が低い」「先代の方が圧倒的に良かった」「コストカットが酷い」といったコメントが多いように感じられますが、果たして軽自動車のN-BOXにそこまで求める必要性があるのだろうか?というのが私の素朴な疑問。


材料費や物流コストが高騰しているなか、先代との差額を少しでも小さくするための企業努力は、ユーザーにとっては関係ない?

まず真っ先に注目したいのは、新型N-BOXの車両本体価格が、先代N-BOXに比べて約2万円~4万円に抑えられているものの、材料費や物流コストの関係で「先代で標準化されていた装備が、新型ではメーカーオプション化されている」ということ。

特に後席格納式センターアームレストや、フロントシートバックテーブル、車速連動オートドアロック機能などは、先代N-BOXユーザーからすれば「装備されていて当然」と感じるポイントだとは思うものの、新型ではこれらの装備が標準化されず、車速連動オートドアロック機能の廃止を除いて、一部グレードではメーカーオプション設定されています(カスタムターボは標準装備)。

このセットメーカーオプションを選択するだけでも+10万円ほどの費用が発生するため、そうなると先代との差額は更に大きくなってしまうのですが、現代でも手に届きやすい軽スーパーハイトワゴンであるイメージを作るために、ホンダ側も試行錯誤しつつ様々な方法を模索しています。

しかしながら、こういった企業努力はあくまでも企業側が見出した対応に過ぎず、消費者側からすると「そんなの関係ねぇ」と言わんばかりに「コストカットが酷い」「ホンダはいつからN-BOXで殿様商売を始めるようになったの?」「軽しか売れないからって、何でもメーカーオプションしてぼったくり過ぎ」など、中々に厳しくもネガティブな意見が多いように感じられます。

SNS/インフルエンサー/YouTubeなどでの評価を真似ていることも影響している?

こういった意見の発端には、もしかするとSNSやインフルエンサー、YouTubeでのインプレッション/レビューも少なからず影響(真似)しているのでは?という見方もあり、私がお世話になっているホンダディーラーでも、N-BOXの展示車を見に来たお客さんが「YouTubeの人が言ってた通り、確かに質感低くてダメだね」「ハードプラスチックばかりだし、先代のファブリックを活かしたトリムも無くなっちゃったね」などの声も少なくは無いとのこと。

ちなみに、内ドアトリムやインパネ部分が「ハードプラスチックだからマイナス面に働く」だとか「経年劣化が早い」といった問題は特に無く、車内の装備内容のバランスや1台にかける予算に応じていることを考えると、確かに「コストカット」という側面で見られるのかもしれませんが、それだけを見てしまうとクルマ作りはできないわけで…

2ページ目:そもそも軽自動車は「手軽な価格帯で購入でき」「日本の道路事情にマッチした超コンパクトカー」というイメージだったのだが…?