【衝撃】フルモデルチェンジ版・マツダ新型RX-7が開発されるもも2008年のリーマンショックで白紙に!見た目はスープラ/Z4を真似た謎の初代ロードスターが販売中

開発者の熱き想いが、世界的な経済不況によって白紙になってしまったのはやりきれない

マツダのロータリースポーツカーでお馴染みとなるRX-7。

マツダは将来的に、次世代ロータリーエンジンを搭載したラインナップモデルを展開していく予定ですが、実はそれ以前に、フルモデルチェンジ版・新型RX-7の開発がほぼ完了していたにも関わらず、とある理由で製造することを断念した時期がありました。

一体なぜ、このプロジェクトが終了してしまったのでしょうか?


2008年のリーマンショックにより、新型RX-7は幻に

マツダが密かに開発を進めていた新型RX-7は、現行NDロードスターと同じプラットフォームを共有する予定で、コンパクトでありながらも軽量化を意識した後輪駆動[FR]スポーツモデルとしてラインナップされる予定でした。

しかしながら、2008年に起きたリーマンショックが原因で開発及び製造は中止となり、新型RX-7の発売の夢は幻に終わりました。

これは海外カーメディアmotor1.comが報じたもので、NDロードスターの元プロジェクトマネージャーである山本修弘 氏とのインタビューにて明らかになったと言います。

元々はNDロードスターと次期RX-7を同時に開発していた

現在ラインナップされているNDロードスターは2015年にデビューし、他のマツダモデルと共有されていないプラットフォームが使用されていますが、その背景には先程の新型RX-7が大きく関係していました。

山本氏は、「2005年にNCロードスターが発売された後、2007年に私は新しいフロントエンジン&リアドライブのプラットフォームの開発を担当することになりました」と語り、加えて「当時は1台の車を開発するつもりはなく、ロードスターとRX-7の2台の車の開発を検討していました」と衝撃の事実が明らかに。

しかし、この特別なプロジェクトは2008年のリーマン・ブラザーズの破綻と、それに続く世界的不況により、マツダは他の多くの自動車メーカーと同様に再検討を余儀なくされることに。

当初は、第4世代となるNDロードスターを2012年に発売する予定でしたが、リーマンショックの影響を受けて同車の発売を2015年に延期し、次世代RX-7を完全に開発プロジェクトから切り離すことになりました。

なぜRX-8の後継ではなく、RX-7の後継なのか?

ただここで気になったのは、なぜ山本氏は新型RX-8を継続するのではなく、新型RX-7の復活に取り組んだのかが気になるところ。

RX-8は、RX-7の後継モデルでありながらも、1991年から2002年にかけて製造された第3世代のRX-7よりもパワーが低く、それほどハードコアではないスポーツカーだったこともあり、山本氏としても「あのときのRX-7の技術や走りの楽しさを蘇らせたい」という想いから、開発がスタートしたと言います。

山本氏はかつて、オーストラリア誌のCarsguideにて「私たちの夢はRX-8ではなくRX-7です。顧客はRX-7を望んでいます」と語っていたことを考えると、彼もまた顧客同様にRX-7のファンであり、誰よりも新型RX-7の復活を望んでいたのかもしれません。

ちなみに彼は、FD型RX-7のチーフエンジニアとしての経験もあり、このプロジェクトに携わる前は、1991年にル・マンで787Bの勝利に貢献したマツダの伝説的な4ローターレースエンジンの開発にも携わっていました。

次世代RX-7の開発が白紙になったことで、NDロードスターの開発に注力できた?

RX-7は、史上最も象徴的なスポーツカーの1つであり、多くの人がその復活を待ち望んでいますが、次世代モデルがキャンセルされたことで、マツダはロードスターにさらに力を入れたのかもしれません。

サイズや性能レベルの異なる車間で部品を共有する必要がなくなったため、山本氏のプロジェクトチームは「可能な限り最高のロードスターを作る」ことに集中でき、その結果生まれた車は、マツダのロードスターの真髄を凝縮したものとなりました。

これとは対照的に、NCロードスターは素晴らしい車ではあったものの、より大きなRX-8と多くの部品を共有していた関係で、NC型はロードスターシリーズで「最大かつ最も重い車」となりました。

それ以来、マツダは2015年のRX-Visionコンセプトと、2023年に公開されたIconic SPコンセプトで新型RX-7を示唆し、その熱をかき立ててきました。

マツダは、ロータリーエンジンの開発にもこだわり、MX-30 EVの航続距離を向上させた改良版の生産を再開しましたが、次期RXシリーズの開発については認めていないため、もしかするとRX-VisionもIconic SPも、単なる夢物語で終ってしまうかもしれませんね(Iconic SPの量産モデルが販売されれば、前向きに購入を検討したい)。

2ページ目:フロントはスープラ、リアはZ4を真似た、謎のマツダ・ロードスターが登場?