米国マツダNDロードスター/フィアット124スパイダーに累計9万台超えの大量リコール→エアバッグの不具合。2024年9月27日時点での最新工場出荷目途更新→MAZDA6がディスコン

最悪の場合、エアバッグの問題で乗員が負傷する恐れアリ

マツダの2ドアオープンスポーツモデルでお馴染みとなるNDロードスター(海外名:MX-5 Miata)と、共同開発モデルでお馴染みとなるフィアット124スパイダーの2車種に不具合があるとしてリコールが届け出されました。

今回は日本市場向けではなく、アメリカ市場向けとして販売されている2車種が対象となっていますが、もしかすると日本市場向けや欧州市場なども含めて大規模なリコールとなる恐れもあります。

今回影響を受けるのは、2016年~2023年モデルのマツダNDロードスター(MX-5ミアータ)の一部車種で、エアバッグ関連に問題があるとのこと。

マツダ公式によると、アメリカ全土のNDロードスターだけで77,000台以上が対象になるそうで、更にフィアットやアバルトの124スパイダーだけでも15,000台以上が対象になるそうです。


本来は運転席のみが展開すべきところを、助手席側のエアバッグも展開する恐れアリ

ちなみに不具合内容としては、一部のロードスターにエアバッグ制御モジュールソフトウェアが搭載されており、特定の衝突時にフロントエアバッグを「1段階展開(シングルステージ)」ではなく「2段階展開(デュアルステージ)」するよう誤って指示する恐れがあることを明らかにしました。

この問題により、軽微な不便さを超えてドライバーと乗客の両方に重大なリスクをもたらす恐れがあるとのこと。

ところでシングルエアバッグとデュアルエアバッグの違いは?

ちなみにエアバッグには、シングルエアバッグとデュアルエアバッグが存在するわけですが、それぞれの違いとしては、シングルエアバッグは「運転席にのみ」エアバッグが設置されているもので、ハンドルに「SRS AIRBAG」の印があればシングルエアバッグという意味。

一方でデュアルエアバッグは、「運転席と助手席」にエアバッグが設置されているもので、助手席側のエアバッグはダッシュボードから展開され、フロントガラスなどへの前面衝突を防ぐことができます。

連邦自動車安全基準では、時速16マイル(25.7km/h)の前面衝突試験の一環として、首の負傷基準に関連する特定の性能が求められており、これはシングルステージのフロントエアバッグのみが展開されることを意味しています。

しかし、このリコールの対象となっているNDロードスターと124スパイダーでは、誤ってデュアルステージエアバッグが展開される恐れがあり、首の負傷基準を満たしていないため、負傷のリスクが高くなるそうです。

これについてマツダとフィアットは、加速度計の電圧仕様が誤って設定され、設計上の問題が欠陥の原因であると主張しています。

NDロードスターと124スパイダーの2車種だけで9万台超えの大規模リコール

繰り返しにはなりますが、今回のリコール対象では、2016年3月1日~2020年8月31日までに製造されたフィアット・124スパイダーが累計15,835台と非常に多く、2015年4月20日~2023年11月2日までに製造されたマツダNDロードスターが累計77,670台となるため、単純に合算で9万台を超える大規模リコールに。

これらの対象台数に対して、両メーカー共に「欠陥による事故や負傷者を把握しているかどうかは明らかにしていない」とのこと。

なおステランティスグループは、日本の広島工場においてロードスターを製造していたマツダが、2024年7月初旬にエアバッグ制御モジュールに潜在的な問題があると報告しており、初めてこの欠陥に気付いたと主張。

ステランティス・ヨーロッパとマツダは、2024年7月~9月までの車両記録を検証し、最終的に9月11日にリコールを届け出することを決定。

改善措置としては、エアバッグ制御モジュールをリプログラムするのみで、ハードウェアの変更は一切ないとのことです。

2ページ目:マツダが2024年9月27日時点での最新工場出荷目途を更新!遂にMAZDA6がディスコンに…