ここ最近の新型車は「ドライビングプレジャー/走りの楽しさ」よりも「快適性と先進性」を重視している?その点トヨタ新型アルファードは上手く両立しているようだ
最近の新型車の「車としての方向性」が変わりつつある
2025年1月7日、アメリカにて開催のCES2025にて、ソニーホンダモビリティのAFEELA(アフィーラ)ブランドより、新世代ピュアEVセダンの新型AFEELA1(アフィーラ・ワン)が発表されました。
このモデルは、アメリカだけでなく日本市場でも市販化される予定で、2026年内の納車を計画していますが、このモデルを見て真っ先に思ったのは、ホンダなどが強く掲げている「運転することの楽しさを訴求するドライビングプレジャー」よりも、「快適性・居住性・先進性」に重きを置いているということ。
これは他の自動車メーカーにも同じことが言えると思いますし、法規制に従わざるを得ないことも影響しているとは思いますが、直近でラインナップされている新車・新型車って、予防安全装備のアップデートに加え、剛性向上と共に居住性や快適性を向上させることに注力している関係で、どこか運転することの根底にある「ドライブフィール」といったものが蔑ろ(ないがしろ)にされているんじゃないか?と思うんですね。
実際に直近で私に所有している(していた)愛車を見てみても、その多くが快適性と居住性を重要視しているようにも感じられるのですが、そのなかでもドライビングプレジャーも上手く両立しているモデルはあるのかをチェックしていきましょう。
トヨタ現行プリウス 2.0L HEV Z[2WD]
まずは、トヨタの4ドアハッチバックモデルとなる現行プリウス (Toyota New Prius, 60系) 2.0L HEV Z[2WD]。
先代50系に比べて、よりワイド&ロースタイルを採用し、更にハンマーヘッドのデザイン言語を採用することで購入層の若返り化とスポーティさを加味。
グレードによりけりですが、足もとには19インチの大口径アルミホイールを装着し、スポーティな走りを両立することが期待されていましたが、実際のところは予防安全装備Toyota Safety Sense+3.0のアップデートが主となり、走りの楽しさ・喜びという点は少々物足りない感が感じられました。
スタイリングとデザインの満足度は確かに高いのですが、それを超える運転するときの”ワクワク”するようなエモーショナルさは特に無いため、そういった意味では見掛け倒しに思えてしまうのが正直なところであり、見方によってはプリウスの本来あるべき姿と立ち位置をよく理解している一台だと思っています。
そのため、現行プリウスを実際に所有してみての以下の各評価結果は以下の通り。
【トヨタ・プリウスの総合評価】
デザイン:★★★★☆
居住性:★★☆☆☆
安全性・先進性:★★★★☆
走行性能:★★★☆☆
走る楽しさ(ドライビングプレジャー):★★★☆☆総合評価:★★★☆☆(3.2点/5点満点)
レクサスIS500 F SPORT Performance[2WD]
続いては、レクサスの4ドアセダンでお馴染みとなるIS500 F SPORT Peroformance[2WD]。
個人的にはレクサスの中で最もアグレッシブでカッコいいデザインだと考えていて、現代のレクサスのデザイン言語では実現できない唯一無二の存在だと思っています。
レクサスの中でも希少な排気量5.0L V型8気筒自然吸気エンジンを搭載するコンパクトスポーツセダンであり、国産セダンでは唯一のV8 NAを搭載する一台となります。
そんなIS500は、走りの楽しさに加えてV8 NA特有でアメ車チックなドロドロサウンドが魅力的なんですね。
車内の居住性はコンパクトスポーツセダン特有の狭さで、この点はスポーツカーという立ち位置を考慮すると、むしろ「スポーツカーらしくて高評価」に値すると思うのですが、一方でプラットフォームやインフォテイメントシステムが旧世代になるため、予防安全装備Lexus Safety Senseも一切アップデートされていないんですね。
この予防安全装備がアップデートされないことを「余計な介入が無くなるからラッキー」と捉えるかはその人次第なのですが、「もしも」のことを想定したら、「安全装備はあった方が良い。だって高級ブランドのレクサスだもん」と考える人も多いのかもしれません。
ちなみに、現行IS500 F SPORT Performanceを実際に所有してみての各項目の評価結果は以下の通り。
【レクサスIS500 F SPORT Performanceの総合評価】
デザイン:★★★★★
居住性:★★☆☆☆
安全性・先進性:★★☆☆☆
走行性能:★★★★★
走る楽しさ(ドライビングプレジャー):★★★★★総合評価:★★★☆☆(3.8点/5点満点)