世界で僅か4台しか存在しないフェラーリF50を直管マフラーに改造してみた。そのサウンドは街中を響き渡らせるほどの轟音だった【動画有】

2022-07-06

純正でもスパルタンなのに更にスパルタンにしてしまった超希少なF50

フェラーリが世界限定349台しか製造しなかったスペチアーレモデルF50。

今回目撃されている個体は、何と349台中僅か4台しか存在しないブラック(ネロ・デイトナ)カラーで、しかも過激なサウンドを解き放つ直管マフラー仕様。

F50といえば、4台のブラック以外にも310台のレッド(ロッソ・コルサが302台/ロッソ・バルケッタが8台)、31台のイエロー(ジアッロ・モデナ)、そして4台のシルバー(アルジェント・ニュルブルクリンク)が製造されています。

なおF50は先代となるF40より圧倒的に生産台数が少ない上、更にマイルドな外観とのギャップが激しすぎるほどにインテリアや造りがスパルタンであることは有名で、やはりエンツォ・フェラーリの息子であるルカ・ディ・モンテゼーモロや、ピニンファリーナ、ニキ・ラウダが携わっていることもあり、最もレーシングモデルに近い造りを実現しているのではないかと考えています。


エンジンベースがF1の改良型で直管仕様ともなれば、うるさくないわけがない!

そんなスパルタンなF50のマフラーを直管仕様に改造したとんでもないオーナーが、イギリス・ロンドンに存在するそうですが、そのエキゾーストサウンドは明らかに従来モデルを凌駕するほどの轟音で、恐らく実際に間近で聞いたら鼓膜がやられてしまうほどの過激サウンドなのでしょうね。

気になるパワートレインは、先代F40から大きく進化した排気量4.7L V型12気筒エンジンを搭載していますが、大本となるエンジンベースは1995年式のF1チャレンジャー用の3.5Lエンジンからインスピレーション&ボアアップしたものになり、それでいて最高出力513hpまで向上させています。

F50はメンテナンスもとにかく大変

その過激なエンジンはリヤミドシップに搭載されますが、基本コンセプトには”公道を走るF1”が備わっていることもあり、ベースとなるカーボンモノコックシャシーにブッシュ類といったパーツ系を一切介さずに直接エンジンを搭載しているため、そのメンテナンスもとにかく一苦労と言われています。

実際にF50を所有するオーナー様にもお話を聞いたことがあるのですが、このモデルをメンテナンスする際には、先代のF40に比べてエンジンフードのオープンや取り外しは容易になったものの、その一方でエンジンの脱着は専用工場じゃないとできない上、その作業も数日レベルでは完了しないとも聞いているので、このモデルを所有する上での覚悟はもちろんですが、それ以上に「自分はとんでもないじゃじゃ馬を飼いならしている」という満足度も高いそうです。

トランスミッションも現代のようなDCTではなく、完全なるMT仕様なのでクラッチはカタいし、クラッチミートのタイミングも難しいし、それでいて乗り心地も良くないしで不満は色々あるものの、その不満がフェラーリの”魅力”でもあるとして、オーナー自身を奮い立たせてくれるのだそうです。

【STRAIGHT PIPED Ferrari F50 SOUNDS in London!!】

直管マフラーといえばモナコにて大炎上したF40も有名

ちなみにフェラーリの直管マフラー仕様といえば、先日大きな話題となったF40。

まさかモナコに1台存在した直管マフラー仕様のF40が大炎上するとは予想していませんでしたが、エンジン周りから炎上していること考えると、エンジンに相当な負荷がかかり、更に熱によるオイル漏れなどが発生した恐れも高そうですね。

こういったマフラーには、触媒やサイレンサーが搭載されておらず、排気圧を調整するものが完全に取り払われるため爆音を奏でることになります。

ただ、こうした直管マフラーのメリットを最大限に活かすことができるのは高回転ゾーンに限定されるとも言われ、ストップ&ゴーを繰り返すような公道(信号なんかあったら尚更)では低速域が弱くなるとのことで、とにかく乗りにくいの何の。

あのフェラーリの甲高いエキゾーストサウンドをどのような場面でも楽しめるという意味では、非常にメリットの大きい代物ではありますが、やはりそこはスーパーカーブランドたる所以であって、”ボフボフボフ”と耳に苦痛を与えるだけのようなサウンドとなるとちょっとオススメはできない改造なのかもしれませんし、上のようにエンジンに負荷を与えすぎてしまったために、炎上を引き起こす原因を作ってしまったのかもしれません。

【Ferrari F40 on fire at Monaco】

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Reference:motor1.com