2020年11月にマイナーチェンジしたばかりの新型クラウンが生産終了へ。セダン需要低迷…後継モデルとして2022年に新型ハイランダーをベースにした一台が登場?

2022-08-16

SUVブームとはいえ、トヨタのフラッグシップセダンが生産終了するとは…

2020年11月2日にマイナーチェンジしたばかりのトヨタ新型220系クラウン(Toyota New Crown)を最後に、現行型限りで生産終了することが明らかとなりました。

中日新聞の情報によると、昨今のSUVブームによる販売需要の向上に対し、セダンの販売需要の低迷が大きく影響していることのことから、クラウンの生産を終了する代わりにSUVに似たタイプの新型車を2022年に投入する方向で最終調整に入っているとのこと。

何とも衝撃的なニュースではありますが、中日新聞によれば「クラウンのブランドイメージを維持するための戦略」とのことで、しかしSUVに似たモデルともいえば、それはもはやセダンではないような気もするものの、まさか1955年から65年/15代も続いてきた伝統的なセダンが生産終了になるとは…

そうなるとSUVに似たモデルなのであれば車種名も「クラウン・クロス」とかに変更される可能性もありそう(超絶にダサい…)。


モデルベースは全くプラットフォームが異なる新型ハイランダー

つまりは「SUVの後継モデル」というニュアンスになりそうな一台ですが、中日新聞の情報によると「苦戦するセダンにこだわらず世界市場を見据えて、欧州の高級車ブランドなどが手がける人気のある車形で展開した方が、需要増につながると判断したとみられる」と記載されていますが、何とベースとなるプラットフォームは北米市場にて販売されている新型ハイランダー(New Highlander)のTNGA-Kプラットフォーム。

つまりは現行カムリ(Camry)/RAV4/新型ハリアー(New Harrier)に採用されている前輪駆動ベースのプラットフォームになるわけですから、元々クラウンは後輪駆動ベースのプラットフォームを搭載しているため、後継というよりも全く別の乗り物になることに。

トヨタはもはやSUV主体の自動車メーカーになりつつある

何とも生産・発売前から迷走モードに入りそうなクラウンの後継モデルですが、このモデルが投入される市場は、北米や中国、そして日本になるとのこと。

トヨタは2021年にも、タイ市場などで販売される新型カローラ・クロス(New Corolla Cross)も日本に導入するため、これらを加味するとトヨタのSUVラインナップは以下の通りに。

・ライズ
・ヤリス・クロス
・C-HR
・ハリアー
・RAV4
・カローラ・クロス(2021年中頃に発売)
・ランドクルーザー・プラド
・クラウンの後継モデル(2022年に発売)
・200系ランドクルーザー

おそらくSUVの更に細分化されたカテゴリを完全に埋め尽くすレベルのラインナップになると思われますが、昨今の諸事情による経済打撃はもちろんですが、トヨタとしてもこの苦境を乗り越えるための苦肉の策、更には新たな一歩を踏み出してトヨタというブランドを更に高くするための動きになると考えられそう。

トヨタは近年のトレンドにかなり敏感になっているブランドになりつつあるので、こうした動きに倣って他の自動車メーカーもSUVを主体にしてくる可能性が高いかもしれません。

ところでハイランダーベースのSUV風ってどんなモデル?

とはいえ、ハイランダーをベースにしたSUV風のモデルともなれば、恐らく2列シート/3列シートのラインナップが存在するかもしれませんし、クラウンのブランドイメージを維持するともなればラグジュアリーに特化したモデルであることも間違いなさそう。

パワートレインも直4ハイブリッドとV6ハイブリッド、そして直4ターボとクラウンと同様のグレードラインナップで仕上げてきそうですが、価格帯ももちろん飛躍的にアップするでしょうし、あとデザイン次第では購入する層も大幅に変化してきそうですね。

そして最も気になるのがその車格で、「SUVに似た」というのが一番のポイント。

まだ現時点でどのようなモデルなのかはわかっていないため何とも言えませんが、もしかするとトヨタはロールスロイス・カリナン(Rolls-Royce Cullinan)をモチーフにしたような車格をラインナップしようと考えているのかもしれませんね。

あと、こうして当時のような公用的で高齢層に人気だったクラウンが生産終了するのを見ると、「いつかはクラウン」のキャッチコピーは無くなり、「あの時はクラウンだった」というフレーズに変わってしまいそう。

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Reference:中日新聞